シャープ資本減資 -資本金1億円断念 | 顧問CFO川井隆史のブログ

シャープ資本減資 -資本金1億円断念

今朝の新聞でシャープが資本金1億円まで減資する案を断念し


、5億円までの減資にとどめるという記事が新聞に載っていました。


資本金1億円以下であると税制上中小企業扱いになり様々な優


遇措置が受けられることを意図したと思われます。ただ、各方面


から実質的には中小企業ではないのに中小企業としての恩典を


えようとするのは脱法行為ではないかという意見があったのでは


ないかと推察されます。



 

この恩典で大きいのは外形標準課税の部分と欠損金の繰越控


除の部分でしょう。外形標準課税と呼ばれる部分では付加価値割


といわれる報酬給与と純家賃、純支払利子の合計の一定割合と


資本金等の一定割合に事業税が課税される部分です。


(以下正確な金額ではないので参考までにしてください)



ざっくりですが2014年の有価券報告書で給与等と支払利息を


抜き出すと約500億で(雇用安定控除額ないとすると)税率


1.008%で約5億(本来は製造原価の労務費も加わるのでもう


少し多い)資本金割が約1205億で税率0.42%でこれも5億、


合わせて10億です。一般的に少額とはいえませんが、シャ


ープのような大企業からすると少額でしょう


  もう少し大きなインパクトは欠損金の繰越控除で今年度


から所得の65%までに制限され、2年後は50%までしか使え


ません。しかし、中小企業だと100%使えます。正確な税務上


の欠損金の金額はわかりませんが、少なく見積もっても1000


億程度はあると思いますので、例えば将来200億の所得が


あった際、中小企業だと法人税の所得割の部分はゼロですが


50%だとざっくり概算で、200億 x50% x32%(実効税率)32


億税金を払わなくてはなりません。ただ、これも9年の間に


この50%部分も勘案して欠損を一掃するだけの利益を上げ


れば結果は一緒になります。


 以上よりうける利益に比べて社会的ダメージの方が大きい


と判断したのでしょう。心情的には理解できますが、ちょっと


無理スジではなかったかなと思います。


 加えて、このように正式なプレスリリースではないことが、


決算発表前に漏れてしまうことは情報管理としていただ


けない話ではあります。