待ちびと | translucent star

待ちびと

すうすう



寝息



いま


あたしが愛そうと思うひと




こうしていることほんとうにふしぎ


ちょっと前までしらない人だったのにね



やさしいあなた





あたし怯えた犬みたいだった


さびしくて死にそうだったのに


あったかい手を誰よりのぞんでたのに


はじめのころはずいぶんかみついてしまった


でも今思える


泣き虫でいられるのはあなたのおかげ




目がとけそうになるくらい泣くのもしょっちゅうなのに


我慢してわらってきたけど


ずっとひとりぼっちだった




わざと歩幅遅くしたり


うつむいてみせても


かならずあたしの顔をのぞきこむのがうれしいの


おねがい もっと時間がたって


慣れてしまっても変わらずいて




ほんとうはまだすこしこわい


だけど思うんだ


もしかしたらって


あなたかもしれないって





いますうすうと寝息をたてる


あなたをだいじにしたい