【Dynamite 音楽考察その④】

(その⑤まであり 毎朝7時更新します)

 

<歌い方>

・発声方法

 私の中で持論があって、大きくBTS全体の発声方法が変わったのは2018年1〜3月だと思っています。

 時期的に言うとLYS:Tearリリース、ビルボードパフォーマンスに向けた練習をしていた頃。

 

 1番わかりやすいのはTearのカムバックスペシャルのBest of meだと思います。是非Herに収録されたBest of meと、この時を聴き比べてみてください。

 

⏬ Best of me by BTS 音源&歌詞全訳

 

 

 細かいことは専門家じゃないので分かりませんが、腹式呼吸から胸式呼吸に変わったのかな?と推測しています。

 腹式呼吸はお腹膨らませるやつ、胸式は胸を膨らませるやつ(普通の呼吸)です。

 歌う時って腹式呼吸を練習しましょうみたいな話を1度は聞いた事があると思います。

 一般的なボーカルレッスンでは、呼吸は腹式呼吸で、声をおでこから出そうみたいな話をします。

 

が。

 

 BTSもTear前くらいまではそこまで変わったことはしてなかったと思うんですけど(KPop自体完全腹式呼吸じゃない気はするんですが)、会場の規模が大きくなるにつれ、変える必要が出てきたのかなというのと、アメリカに本格的に進出し始めたからかなというのと、そんな理由で胸式に変化したのかなという感じです。

 

 腹式呼吸と胸式呼吸の違いですが、腹式呼吸の方がたくさん息を貯められるので大きい声やエネルギーの強い声がでますが、胸式呼吸の場合、更に細かい調整が効くと思います。

 でもやっぱり音量やエネルギーが足りないので体がかなりしっかりしていないと無理かなとは思うんですが。

 アメリカ市場の歌い方に近づけるということは人種的な骨格の差を乗り越えなきゃいけないから、そういう面でも大変ですよね。

 まあ完全胸式呼吸ではないにしろ、更にコントロールしやすい呼吸法に変えたのかなくらいに捉えてもらえると嬉しいです。

 

 そしてこれも細かいことが分からなくて申し訳ないんですけど、響かせる場所も頭(おでこ)から鼻に変わったのかな?

 人間は体を振動させて音を出すことによって歌える仕組みですが、基本的に頭に響かせるのが普通です。

 クリアで響きやすい音になるから。

 

 鼻に響かせると鼻が詰まった時のような鼻声になります(当たり前)。

 ちなみにもうひとつあって、胸や喉に響かせる方法があります。

 大抵低い音を歌う時に使います。

 

 でもそれが鼻に響かせてるように聞こえるんですよね、最近。

 だけどまとまりがあって響いた声に聞こえるから、そのコツが多分アメリカ式な気がする。気がする(強調)。

 

 

 はい、長々と語ってしまったんですけど、とにかくそれらの発声方法をすることによる大きな利点があって、

 声に対する加工が乗りやすい!というのがあります。

 

 レコーディングとライブの歌い方はかなり変わってくると思うんですけど、どちらにしても加工が乗りやすい声って扱いやすくて聞きやすいです。

 例えで言うと、透明な声に色々な色の加工を乗せる感じ?

 声に違う強い色があったら汚く混ざりあっちゃうかもしれないですよね。

 

 レコーディングの際は曲に合わせた加工が乗りやすいのは大切だし、ライブの際はエコーが乗りやすい声だと聞き取りやすいし、本人も歌いやすいし。

 

 これもさっきからずっとお話してることと同じで、すごくプレーンでナチュラルな状態にした上でそれでも個性が残るのが本当の天才だと思うので、フラットな発声でもそれぞれの声に特徴があるのって本当にいいグループだなあと思ったり。

 

 

 寄り道しすぎた。

 

 

 そしてこの曲、メロディーがまたはっきりとした発声をしやすい曲なんだなあ。

 作った人天才だなあ。

 

 

→その⑤ (ラスト)に続く