『月とライカと吸血姫(2)』(牧野圭祐)
月とライカと吸血姫2 (ガガガ文庫)Amazon無事に宇宙から帰還したイリナを出迎えたレフ。『ノスフェラトゥ計画』の功績が評価され、《人類初》の宇宙飛行士候補の一人に選ばれる。ライバルであるミハイルやローザに負けぬよう多忙な訓練をこなす一方で、イリナの今後を気に掛けるレフ。そのころイリナは、廃棄処分の危機に常にさらされながら、政府に監視される生活を送っており……。前巻がすごく綺麗に終わったので、続きが蛇足にならないかなと少しだけ心配だったのですが、全くそんなことはなく。ちょっとうまく行き過ぎなところもなくはないですが、主役2人の行く末を感じさせつつ、今後の展開の広がりも示す。長期シリーズ化に向けた、理想的な続巻だったと思います。とんとん拍子に宇宙飛行士の夢へ近づくレフと、宇宙飛行を終え先の見えないイリナ。2人がお互いを思いつつも、時には政府の事情で、時には両者の思いやりで、すれ違い引き離される展開は、ベタながらもどかしい。そこに宇宙飛行をめぐる互いへの嫉妬や羨望、罪悪感が絡んでくるものだから、2人の心の流れはとても複雑。そういった心情描写がとても丁寧に書かれているのが、この作品の大きな魅力の1つだと思います。この2巻までは、レフとイリナの絆の物語だった訳ですが、3巻からは、政府や国を巻き込んだ、さらにスケールの大きな話になりそうでワクワクしております。思えば1巻の時点で当然構想はあったのでしょうが、まさか《もう片方》の物語が描かれるとは全く想定外で、驚かされました。史実を参考にする一方で、明らかに史実とは違う未来を見据えた物語。そこに《吸血姫》がどんな影響を及ぼすのか。今後が気になります。★☆★☆★☆★☆ランキング参加中です(*´꒳`*)人気ブログランキングへ★☆★☆★☆★☆