死生観という言葉も、昨日ブログに書いた「ある人」から教わった言葉の一つだ。
正月に妻の実家によると懐かしい本を見つけた。
「あなたが貸してくれたんじゃない?」と妻が言う。二人とも全く覚えていないが、気になったので持ち帰って読み返す事にした。
毒舌の筆者がスクーターで事故を起こした時の状況、入院生活、死生観を語る。
当時のニュースで引きつった北野武の顔を見て、ショックを受けた人は多いだろう。
読んでいるうちに、何故、普段は読まないであろうこの本を買ったかを思い出した。
社会人1年目。私は長野県の小さな支店で半年間のOJTを受けていた。
その日は深夜2時まで仕事をし、翌朝10時から東京本社で研修となっていた。
家に帰って身支度を済ませ、確か3時頃に車に乗り込み中央道を急ぐ。
3時間程度で着くはずだから仮眠が取れるはずだ。
トンネルが続く高速道路で、気を失ったように寝たらしい。気付くと、雨の濡れた路上でガードレールが近づいてくる。慌ててハンドルを切る。テールが流れる。ハンドルを切る。数回カウンターを当てたが耐え切れず、スピン。ガードレールに激突した・・・意識が飛ぶ・・・
・・・クラクションの音が聞こえる。
バックミラーに見たことの無い距離で、大型のトラックが迫っている。何がなんだか分からずアクセルを踏み込み衝突は避けることが出来た。
意識は一応戻っている。車内は荷物が散乱し、更に混乱させる。首は痛むが、それ以外に怪我は無い。前方が見えにくいのはボンネットが衝突したショックで大きく膨れ上がっているからだと気付く。
パーキングに入って、再確認をする。まず、生きている。怪我らしい怪我も無い。車はバンパーがめり込み、原型を留めておらず、ボンネットは大きく膨れ上がっている。背筋を伸ばして運転席に座ると辛うじて視界が確保出来る。車は何とか動く。
整理すると、①恐らく100キロ以上のスピードでスピンをした。②ガードレールに激突した。③同じ車線に戻った。④車体は潰れているがエンジンには異常は無い。⑤軽いむち打ちで首が痛むが、それ以上の怪我は無い。
一服してからそのまま東京へ向かうことにした。車中で考えた事は、
「生かされてると思うほか無いな。」
無宗教で、周囲には「俺は運の良さだけは日本で片手に入るよ」と嘯いていたが、この時ばかりは、運では無い何かを感じてしまった。
かといってその後、宗教に走るほどデリケートでも無く、本屋で気になり手に取った本がこれだった。
