先日、長野県で白骨化した遺体が発見され、

身元は本籍が沖縄の、ハーフの方でニューハーフの方だという事が報道されました。

(犯人もちゃんと捕まったそうです)


被害者は、同じ性別、同じ業種として心からお悔やみ申し上げます。



このニュースで感じた事が幾つかあったので、今回はその件について綴りたいと思います。



まず、ニュースなどでも「ニューハーフ」という名詞を使用するんだなって事に驚きました。


私がMtFになってからは、国内の殺人事件関連のニュースで

被害者及び加害者がニューハーフだったという事を見た記憶がありません。

(性同一性障害者が被告人だった事件は最近見ました。後述参照)


ですので、もしもニューハーフが関与していたなら

ニュースではどのように扱われるのか関心がありました。


そして今回の事件。



ニューハーフとして呼称されたのは、

ニューハーフ業に携わっていたからなのでしょうね。



そして同じ性別としてこの事件に関してのメディアでの書かれ方を見て

胸が痛む所が多々ありました。


あるニュースサイトによると、


「女装をして風俗店に勤めており、豊胸手術をしたニューハーフ男性」

という書かれ方がされていました。


おいおい、ずいぶん被害者に対しても失礼な書き方だなって思った。

被害者もこのような報道をされたら浮かばれないことでしょう・・・


「男性」と呼ぶ事に関しては、「戸籍上の性別に依存」するらしいので

仕方ありません。


しかし、「豊胸手術をした」ってその情報は本当に必要??


「女装をして」って、被害者の写真を見る限り、

本人は恐らく女装してるという意識はなかっと思う。


性同一性障害者と同じく、女性の服を身に纏う事が「通常の服装」だと思う。

同じく私もニューハーフヘルス嬢でありながら、女装している意識は全くない。

仮に仕事を辞めて一般社会に移っても、女性として生活し、ずっと女性の服装をして、

それを女装だとも思わないでしょう。


(女装とは、女を装ってるという意味なので、装う=つまり演じているということ。

ニューハーフの世界ってのは、あくまでニューハーフを演じているのであり、

女を演じているのではない。また、性自認が女性であるならば、女を演じているという意味にもならない)


被害者も恐らく、ニューハーフの風俗に勤めていたなかったとしても

プライベートでも他の職でも女性の服装をしてたと思うんですよ。


それでも、こういう事件がある度になんで「女装をして○○に勤めた」と表記するのかな?


なんか、ニューハーフの風俗店にいるから女装をしているんだという誤解を招くのような表記。

ニューハーフもトランスジェンダーも女装であると誤解するような表記でもある。

由々しき問題。


そりゃ、探せばそういう人もいるかもしれないけどさ。

実態としては、風俗にいようがいなかろうが日常で女性の服を纏って女として暮らしている人が多い。



でも、「戸籍上が男性」という重荷があるだけで、

こんなにも余計な報道されてしまうのですね。


いちいち体の状態や服装形態も報道する必要なんてないと思う。


職業と、ニューハーフ男性という表記は仕方ないというのも理解できるけど。



ちなみに性転換を済ませた人は、「元男性」とか「性転換を済ませた元男性」と呼ばれる事が多いように思える。



以前、性転換を済ませ戸籍も変更した性同一性障害の方が

電車で男性に痴漢行為をして捕まったニュースがありました。


その場合は「性転換を済ませた元男性」といったような表記がされていました。


加害者であるにも関わらず、同情的な報道もされてました。

まぁ、「加害者」であるならば酷く書かれる事はあるにしても

今回は思いっきり被害者。


それなのに酷い書かれよう。



豊胸は整形手術と同じ方向ではありますが、

殺人事件で被害者を「整形手術をした男性/女性」という報道のされ方を見た事はない。

ならなぜ豊胸はわざわざ報道するのでしょうね。

入れ墨についても報道がありましたが、それは身元を特定するための情報なのでしょう。

とすると、豊胸の有無もそのため???

ニューハーフで豊胸って珍しくもないから報道するまでもないようにも思える。



もしも豊胸をしていない被害者なら、


「女装をして○○に勤めていたニューハーフ男性」って言われるのかな?


玉抜き(去勢)を済ませた被害者なら


「女装をして○○に勤めていた、去勢済みのニューハーフ男性」ってこと?


性転換はしたがまだ戸籍変更の済んでいない被害者ならば


「女装をして○○に勤めていた、性転換済みの元ニューハーフ男性」ってこと?



たぶん戸籍変更まで済んでいたら、女装という名詞は使われないのでしょう。

「○○に勤務する、性転換済みの元男性」という表記の可能性が高そうです。


冒頭でも書いたがニューハーフという呼称は

ニューハーフ職によるものなのかもしれない。

(職に関係なくMtFトランスジェンダーをニューハーフと呼ぶんだと誤解してるメディアも多そうだけど)


なのでニューハーフ男性という呼ばれ方は嬉しくはないが、

妥協はできる。

○○勤務ってのも、報道上は仕方ない面もある。



でも、「女装した」とか「豊胸の有無」とかは、

報道に必要なのか?って心から思う。



この事により、いくら日本でも「社会的」には、

例え性転換しても戸籍変更しても「元男性」だとか「ニューハーフ」だとかいう肩書きはついてまわるんだろうなって事が予測できた。



そして、性転換&戸籍変更をしない限り、

同じトランスジェンダーでもここまで扱われ方に差があるんだって事も感じた。


まぁそのように扱われるようなニュースに出る事が無ければ、

生きていく面ではあまり支障はない。

(メディアや公文書以外では詳細な性別を指摘される事も少ないしね)



トランスジェンダーの立場としては、

ホルモン投与をして常時女性として暮らしているならば、

さほど性転換者と違いもないって思ってた。


玉抜き済みであれば尚更ね。

性器の見た目と戸籍の違いなだけで。



現に、過去に病院の先生にこんな事を言われた事があった。

「玉抜きをすれば、実質体内のホルモンバランスは性転換済みと同じ。

性転換なんてあとは見た目の問題なだけ」ってね。




性転換して戸籍変更しても、公的メディアでは

ネガティブな扱い方がされるけれど、それでも未性転換の者とは

大きく扱いが異なるんだなって事を今回知り、

私も早く性転換&戸籍変更したいなって思った。


(戸籍変更までしていると、どちからといえば同情的な扱われ方がされるみたいだしね。

先述した痴漢事件から察するに。)



もちろん重い罪の加害者(被告)であれば、性別は関係なく罰せられバッシングを受ける事も理解しているが、

今回問題なのは当事者が被害者だという事。



それなのに、「女装」「ニューハーフ」「豊胸」「ニューハーフ男性」というワードを強調して、

あたかも被害者のイメージをも落とすような書きぶりだってこと。


もし私も今の状態で事件に巻き込まれて報道されるような事があれば、

今回のように報道されるんだろうな・・・。

豊胸と入れ墨はないけれども。


死去する事件ならば、その後どう言われようが

自分はもう知る事ができないだろうから構わないけど、

もしも生き残ったのにこんな報道をされたらたまったもんじゃない。



メディアの報道表記に対して久々にイライラした事件でした。