風俗に勤務したものは、その世界やぬるま湯に浸かってしまい

気づけば抜け出せなくなる。


よくそう言われますよね。


肉体労働とはいえ、時間の縛りに相対して対価が良いという金銭的な理由はもちろん、

他に生きていく術(働ける術や能力)がないという面も大きな事実。


年齢を重ねれば重ねるほど尚更。



ニューハーフの世界においては、

それらとは別に、同じ性の先輩達と触れあう事で学ぶことがあるといった面や、

一連の女性化のための近道という部分もあります。


最近はそういう理由は少なくなってきていますけれどね。

むしろそれなら水商売の世界だけでも充分ですし、一般職に就いていて性転換を済ませたトランスジェンダーが多いという点でも、関係なくなってきている証拠になります。

よって最初に挙げた理由の方が大きいのかもしれません。


最近はこのような事も感じるようになってきました。


少なくとも懇意にしてもらってるお客さんだけには、

「可愛い可愛い」「綺麗綺麗」と言ってもらえる。


服を着た外面でなく、決して女らしいという訳ではない裸の状態ですら。


もちろんそれが社交辞令だとしても、NHが好きというアイデンティティを抱いたお客さんだからこそなんだという事を理解していても・・・。


裸になっても女性らしい体つきで美しいボディラインの方は、

性器と本来の性という以外はそのようなコンプレックスは持っていないのかもしれません。


しかし、裸になればぶっちゃけあまり女性らしくない体型だったり、

クビレもない、胸もないような悩みを抱えた者は、

誤魔化せる服を着用した上で綺麗と言われても、

「裸体を見れば幻滅するだろう」という悩みを少なからず抱いている。


一般女性とは異なり、痩せているか太っているかの問題だけでなく、

根本的な骨格や肉付も関係している。

胸も、性ホルモンだけで充分に発達する一部のトランスジェンダーを除いては、

それこそ豊胸といった外科的手術をしなければ大きなコンプレックスになりうる。


豊胸だけでなく、外科的手術を行わない限り改善できない部分も多々ある。

性器も例に漏れず。


ならばさっさと満足行くまで全身に渡る外科的手術をすればいいじゃないかという事にもなりますが、

もちろんその理由で手術に望む者もいるが、

いくら医学が発達した現代といえ、誰しもが安全安心で確実な良い変貌を遂げられるわけではない。

未だ失敗例も存在する。

その上、必要とする資金も馬鹿にはならない。

そのために水商売や風俗を選ぶという理由も冒頭で書いたが、この不景気の昨今、

それでも充分に資金を稼げない子だって大勢いる。



風俗という場所は、そのありのままの裸を見てもらった上で、

綺麗だの可愛いだの言ってもらえる事が多い。


その事が自信に繋がるし、自身の性アイデンティティを維持できる繋がりにもなる。


その事が気づけば心地よくなってしまっているのではないだろうか。


そう思うようにもなってきたのです。




もちろん、そういうNH特有の体型だからこそ、

それが好きなお客さん中心だという事は理解している。


特に性器においては、未手術だからこそ好まれる事も理解している。

(性転換してしまったら、それらのお客さんの眼中にはなくなるという面で大きな葛藤ではありますけれども)



一般職の性同一性障害の方のように、確固たる性自認があるわけでもなく

先天的に女性らしい骨格や体型を持つため性器以外にコンプレックスの少ないトランスジェンダーとも異なり、

揺れ動くギリギリのアイデンティティや感情を維持したいがために風俗産業にしがみついてしまう理由を持った人も多いのではないでしょうか。


当然、風俗産業を嫌悪する層から見れば、そんな事はただの言い訳にしかなりませんけれどね。



誤解のないよう言っておきますが、

これらの事により、物事を肯定する気持ちもありませんし、否定する気持ちもない。


ただ、ありのまま感じた私見を書き連ねてみました。