何を表現するための音を出したいか。 | オランダ在住フルート奏者 武良静枝のDear my flute
昨日のひるきょうは、
音楽協同組合の3日間連続共通企画!
「いい音楽ってなんだろう?」でした音符

今週のお題は…
【いい楽器ってなんだろう?】

これまで楽器のことで、フルート吹きの私がよくされる質問は、
①おいくらなんですか?
②何本のフルートをお持ちなんですか?
③(フルートや楽器に少し詳しいかたから)どこのメーカーのものですか?

この3つくらいかしら。

特に①は、本当によく聞かれるわけですが、
高い値段だからいい楽器という単純な話ではなく。。。

この楽器で
どんな音が出せて、それによって表現の世界を広げられる、
そう思うから、使っています。

曲や会場、シチュエーションによって
私の場合だと4本のフルートから使い分けています。

楽器に愛情をかけて日々、練習していますが
(これが、本当に不思議で伝わるんですっ!!ラブラブラブラブ説明できないんだけど。)
楽器は音楽を表現するための「道具」です。

どんな表現をしたいかは
曲によって本当に違うし、
また、同じ曲でも演奏するたびに表現を変化させたいことも多々あるし、

だから
「いい楽器」はこれ!っていうのは、ないですよね。
この楽器の個性をどう生かすか、マッチさせるかなのでニコニコ


放送では、
同じ曲を、違う楽器で演奏しているものを聞き比べをしました。
(録音を探す中で、奏者も異なってしまったが、少々残念なのだけど)

♪ヘンデル作曲
フルートと通奏低音のためのソナタイ短調「ハレソナタ第1番」より第四楽章

ブルー音符一つ目は、
木製フルート→有田正弘氏による、フルートトラヴェルソ(1725年製)での演奏。
むらさき音符二つ目は、
金属製フルート→砂田全寿呼氏による演奏。
{1733E38B-53BC-4C3D-81BB-5E9BDBA8BFD7}
ヘンデルが作曲した頃に吹かれていたトラヴェルソでの演奏は、
作曲された時にもともとイメージしていた音色の再現だろうし、

進化した金属製のモダンフルートでヘンデルを吹く場合は、
パワーも出せるようになり、音域も広がり、装飾も技巧的に入れることができ、
様々な音楽を聴くようになった現代の私達にとって、魅力的に思える演奏を可能にさせているのがよくわかります。

どちらが正解ではなく、
ひとりひとりの聴き手が、どの演奏を聴きたいか、
いいと感じるか。
それも!今日と、明日では、違う気分になるかもしれませんし………


だから、
人間が操る楽器の演奏って、素晴らしい世界!

歌は声帯を取り替えられないけど、
楽器奏者の可能性は無限ですキラキラ(のはず。技術があれば)

音楽っておもしろいでしょルンルン

次回コーナー出演は5/4です。お楽しみに!