図書館の仕事で聞かれてなかなかよい本が見つからず困るのが、新しい技術や情報に関すること。


情報の変異や流通が速くなってしまった昨今、確かな情報をきちんと編集して作られる本では、ニーズのあるタイミングに間に合わないこともあり、特に児童向けの本は、大人向けの本が出てから、出ることになる上、図書館に置いて利用に耐えるだろうかという本は少なく、リクエストに答えるのが難しく。


最近(とは言え数年前ですが)、1番なくて困ったのはタピオカの作り方とスクイーズの作り方。

夏休みの調べ学習の宿題でテーマにしたとのこと。

タピオカドリンクがブレイクした年だったけど、タピオカ自身の作り方の本は大人向けにもなく。食品図鑑のタロイモあたりで、材料としての説明が見つかったくらいでした…


で、今回悩んだのはこちら。




2、3年生向けの軽い読み物で、男子が主人公で、ナント最近文房具的に子どもに身近というより手放せないアイテムとなったタブレットを小道具にした作品!


他愛のないお話で、いたずらずきの少年が、授業中タブレットの片隅に見つけたアプリから妖精が現れ、アプリでいたずらすればするほどゲージがたまり、ゲージが満タンになると願いが叶うと言う。

いたずら大好き主人公は写真に写したものを加工すると現実に反映されると言うアプリで、いろんなものを変身させたりして、大はしゃぎ。ゲージはすぐにたまって、さあ願いを叶えようという時に…


絵柄とテンションに比して意外に、怖い展開とえー、反省なし!?という主人公が児童室に置くべきか悩んでた理由。

結局、新しいアイテムを取り扱った軽い読み物という点が大きく、置くことになりましたが…

タブレットを扱ってなかったら置かなかったかも。


昨年はこんなのも出てました。



AI付きのマスク?をすると、勝手にしゃべってくれるマスクをゲットした子どものお話です😅


実はどちらの作品も評価された点は小道具ではなく、設定や展開で、それはどちらもはっきり言って古典的とも言える定番のもので。

そこに目新しいアイテムを組み込まれたものをよしとするかは、いつも悩ましいものですが、同時に時事に合わせてそういう作品を生み出す作家さんはすごいなあともおもったりしますが、長く読まれるかは難しいところ。

でも、あまり本を読みたいと思わない子にこれなら手に取ってもらるのでは、という図書館員&親心。

本の中にも楽しい世界はいっぱい広がってることを経験して欲しいのです。