ロシアがウクライナに攻撃し、戦争となった頃、アイコン的になっていたのがこちらの本。
同じ民話を持つ国同士が争わないで、というメッセージでした。だからこそ、という部分もあるのでは、と一意的に賛同はしかねたのを覚えていますが、同時に民話にそういうメッセージ性を持たせないで欲しいという気持ちもあったのかも。
「てぶくろ」のお話の絵本はいくつかありますが、文章、絵とともにすばらしいと手に取るたび思うのは、この岩波書店の絵本。
読めば2分ほどで終わる単純な話なのに、おじいさんがてぶくろを落として犬が見つけるまでの、誰も知らない短い時間の濃密な物語が余韻に残ります。ビッグブックも出てるけど、通常盤でもビッグブックを読んだような大きさも感じる作品。
1番をこれだけ持ち上げときながら、別のおすすめの「てぶくろ」がこちら↓。
昨年末に再版されたものですが、ウクライナ支援もあって、再版となったのかもと、今思い当たったり。
アメリカのイラストレーター、ジャン・ブレットの描くてぶくろは動物も落とした人も、岩波版とは違い、表紙にはウクライナ民話と書いていますが、どっちかというとアラスカやカナダのような雰囲気を感じる動物と人物。
お話の描き方もブレット流にアレンジされ、てぶくろに動物たちが入っていく様子をメインに、両脇にてぶくろを探す男の子、それによって巣から出てきた動物が、次にてぶくろを見つけ…とサイドストーリーが描かれて、どっちも見るのが楽しい。構成も絵もちょっと漫画のようで、イラストレーターならではのアレンジなのかと、思いながら親しんだ昔話を今のお話のように感じられる作品。
ちなみにブレットは、ほかにも昔話をアレンジしていて、
↑は雪の農場を舞台にした「てぶくろ」
オチもちょっと違い、アレンジが増してますが、動物の描写だけでなく、アレンジされたとわかっても楽しめるのは、元が昔話だからというのもあるのでは。
創作作品で最近のものはこちら。
先に出た「ぼうし」のハリネズミではないかと思うのですが、雪を見るために冬眠したくないとがんばるハリネズミとそれを助ける農場の動物と人が描かれていて、やさしい気持ちになります。
そして雪を見た時の喜びも。
昔話をアレンジした作品は、メッセージをこめすぎたり、省略もしくは脚色しすぎたりして、素直に良いと思えるのは少ないのですが、ブレットの作品はどれも、本当に今もありそうに思える世界観で昔話を再現しているところが、また昔話と違う世界を見せてくれているのではと思ったり。
邦訳で買えるものは、「てぶくろ」と「ふゆごもりのまえに」くらいですが、見かけたらぜひ、冬の間に読んで欲しい作品たちです。






