今週の新刊でテーマや内容は悪くないし、似た内容もあまりないけど、絵がイマイチで購入しようか悩んでた本がこちら。








70年生き死んだクジラの命はそこで終わらず、

海底に沈み光の届かない海底の生物の食べ物となって続いていく。

骨もなくなるくらいまで,いろいろな生き物がクジラの体にむらがり暮らしていく様子が描かれた本。

肉を食べるエビ,それを食べる深海魚。骨を溶かして、張り付くホネクイハナムシ。

映像でもあまり見ることのない(ネットには結構ありましたが)、深海の生物の食物連鎖の様子を見ることができる絵本。

なのだけれど、深海が舞台のせいか、まず全体的に色が群青色で、明度が低い絵。そのせいか、生物の絵まで、輪郭がぼやけていて、線も大雑把でコ細密さも低い絵。

これがお話だったら、雰囲気の良い絵なのだけど、読み進めて、深海の生物がたまに落ちてくる餌にむらがり生きていく様子に引き込まれるほどに、大雑把さが気になり、もっと細かいところが見たい!となってくるのです。

これを日本人が描いて、たくさんのふしぎとかで出版されてたら、このフラストレーションはないのではないだろうか?と何回か思うくらい(^_^;)


思い出したのはこちら↓



絵本という括りで言えば、画風と思えば、評価は下がらないけど、深海の様子を教えてくれる作品と思うと,もう少し…と残念感の残る内容。

昆虫写真も日本人が得意で、日本の昆虫写真の児童書のクオリティはすごいと言うけれど、他の生物でもそうなのかも、細かいところまで描いて伝えたい!という思いが日本人の作家の方が強いのかもと思ったり。


とは言え、最近出た恐竜の本は、その恐竜の数だけで圧倒され、いかにも子どもウケを狙った装丁の割に(ポスターの付録まであるのです!)、言葉は専門的ぽくて、CGの絵も迫力あるなあと思ってよく見たら、翻訳ものでした。




恐竜図鑑は児童室で人気で、やはり迫力ある絵が好まれるのだけれど、CGで描かれて、レイアウトがすごい!と思う本は翻訳物が多く、その分知識的な内容,情報量は微妙なところもあるのだけれど、絵の迫力だけで、買わされてしまうほどのクオリティもあり、実際どうだったかわからない恐竜をイキイキとポージングさせた絵はイギリスやアメリカの人が得意なのかなあと思ったり。


そのどちらも自国の言葉で読める日本人は幸せだとまた思ったり。

どれも夏休みにおすすめの作品です。