14で紹介した天の火を盗んだうさぎはその長い耳に枝を巻き、そこに火をつけて運んだのですが、

ではなぜうさぎの耳は長いのだろうかということを教えてくれる?お話がこちら。

アメリカ大陸でも南のメキシコの昔話を,メキシコで長く絵を描いた作者が描いたもの。


昔うさぎは耳は短く,体は今のように小さかくとりえのない動物で他の動物にいじめられていたそう。

そこでうさぎは自分の体を大きく,強くしてほしいと神様に頼みに行きます。

すると神様はワニとサルとトラの皮を持ってきたら、願いを叶えてくれると言います。

そんなことできるわけないとなげきながらも、うさぎは彼らの皮を得るべく動き始め…

皮を取るってことは、相手を殺すってことで、ワニとサルとトラにとっては理不尽だと思うのですが、うさぎの淡々と行動する様は,弱くないじゃん!と突っ込みたくなるのだけれど、その先にうさぎをまっていた結末は、読んでのお楽しみ。


淡々としたうさぎの行動が、版画のように描かれた絵と相まって民話の怖さや素朴さを感じさせてくれる1冊です。


レイアウトも絵物語風。読み聞かせにはちょっと文が長め,絵が小さめなので中学年くらいからがよいかと。



画像は福音館書店のサイトより