野生のうさぎを描いたもう1冊。

動物絵本画家の大家?薮内正幸さんの絵の作品。




野生のうさぎの生活が、細密な絵で表現されており、外敵から逃げながら、パートナーを見つけ,子どもが産まれるまでが、描かれています。

ストーリーだけ追うと、手島圭三郎さんの本の続きのようだけど、違うのは表現方法。

福音館書店で勤め始めた頃、業務として動物園でひたすら動物の絵を描いていたという薮内さんの絵は動物の動くポーズがリアル。



↑うさぎが伸びするポーズなんてリアルなんだか想像なんだかわからないけどリアル!

リアルだけど、表情があってストーリーを語る動物の全身の表情は,骨格からデッサンをしていた薮内さんならではの表現ではないでしょうか。


と,思ったのは最近出た幼児向けの動物絵本を思い出したから。








どれも動物を描くのが上手な絵本作家の絵だけれど、どうしても演技ちっくな、ポージングしたような雰囲気が否めず。これだったらデフォルメされた絵でお話にするか,写真で、もっと知識よりにするかしてほしいと思ったシリーズ。


薮内さんの絵も演出していないわけではないけど、そこに読み手にこうでしょ!と訴える目線が感じられず、ただこういう動物がいるのだと,存在感を感じられる絵。

こういう絵の動物の様子を教えてくれる絵本があって、読める環境にある日本に生まれてよかったと思ったのは、タンザニアの図書館に積まれたイギリスの子ども向けの本の中に,薮内さんの作品が入っていた時。

自分の国にいる動物を生態も含めて正確且つわかりやすく描ける人の絵本がすぐに手に取れる環境って、当たり前ではなく、そこには人だけでなく経済や文化や政情が整っている時代があるという条件も必要で。

そのような環境にいれる内は、子どもが幼いうちに触れる絵本は、かわいいと思われるポーズだけでなく、誠実に動物の様子を教えてくれるものをまずラインナップしてほしいと思う。