『ねえさんといもうと』(あすなろ書房)
酒井駒子さんの絵は美しくこどもの仕草を描くけど、なんとなく影があって、そこが大人うけするんだけど、子どもむけかというとどうも...というのが図書館人の感想。

そんな駒子さんが、新訳もしているこちらの本。ゾロトウの作品は年長の女の子の、背伸びした責任感をよく描いていて、3人きょうだいの長女の私は思わずホロリ(このおねえさんのように面倒見の良い姉ではないけれど)
前半の姉妹が遊ぶシーンには、ちょっと不安感ただよう絵に、心からこの姉妹に共感してものがたりに入ることは難しいけれど、後半の姉がいもうとを探すシーンではこの不安感に胸を捕まれ、最後ホッとする。

旧版の福音館書店版とは、絵・訳も違い、原著を確認できなかったけど、ちょっとしたシーンも違うのは、差し替えなのか、創作なのかは不明。
どちらが良いとは言いがたいけど、言葉遣いは駒子さんの方が今風で読みやすい。
でも、読んであげるなら旧版かなー。
文章や絵柄だけでなく、いもうとが野原を走るシーンなど絵本ならではの躍動感を感じるレイアウト。
でも、絵本をあまり読まなくなった4年生くらいの女子には駒子さんを勧めるかも。ラストのいもうとのように、頑張ってる子の肩をそっと抱いてあげたくなる本。
そういう意味ではやっぱり駒子さんの絵は幼児向きではないのかも。



ちなみに『おにいちゃんといもうと』も出てて、こちらも駒子さん版と同じ出版社でおーなり由子訳、はたこうしろうの絵で新版が。
こちらも、新旧甲乙つけがたく。
内容的には、おねえさんより、おにいさんの方がわんぱくなので、これをすすめるのは小学校低学年までかなー。
ただ、訳者の選び方とか新版はやっぱり大人狙いは感じる。

ゾロトウ作品は前にも紹介したけど、どれも絵によって(よらなくても)対象も幼児から大人に通じる作品で、ゾロトウはやっぱりすごいと再確認。