最近、食育っぽい絵本がよく出版されてる気がする。
テーマは、生命、和食、発酵が流行な感じ。その流れを見せつける本がコレ。


ぬかどこすけ!ぬかどこすけ!
1,404円
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道具屋で売れ残ってたツボが、やっとおばあさんに買ってもらえ、さあ、なにをいれましょう!と意気込むも入れられたのはぬか床。
ぬちゃぬちゃという感触、へんなにおい。
こんなものをいれる羽目になるなんて!と嘆くツボ。
でもおばあさんに醸されたぬか床姉さんに入ると、野菜はみんなおいしくなって出てくる。
へんな感触とにおいだけじゃないぬか床姉さんの力にきづきはじめるツボ...

という感じに、ぬかづけには発酵が欠かせない、で発酵する事で、おいしい漬物ができるというのを、ニュアンスで感じさせたい話。
最後のぬか床姉さんがはっこうについて語る部分は読者をどの辺に考えているのか?と疑問も感じるけど、ぬかがほっとくと発酵しすぎて爆発しちゃうとか、ぬかづけ の仕組みがわかる点では、栄養士さんとかが使えるかも。

ちなみに漬物全般が苦手でとくにぬか漬けは絶対食べられない私には、おぞましいぬか床姉さんの描写。
和食や伝統食は大事にしたいけど、漬物はイイです。

ほかに食育系?和食系?と言えば、最近出たのはコチラ。


おでんが自己紹介しながら、自分の材料自慢をはじめるんだけど、自慢部分が情報だけでひねりがない。筋はいいので、もっとうまく物語にフィットして欲しかったなーと上から目線で思ったり。どうしても大人向けな意識が拭えない。


で、発酵と言えば、絵本でなくこんな本が出たけど、こちらは対象をこどもと意識するあまり、醤油や味噌を醸す酵母を擬人化しすぎて、ついていけなくなっちゃった感が。(別に漫画ではないし、酵母が喋るわけではないのだけれど)
読んで興味深いけど、こんなニッチな話、小学生は喜ぶの?的な。

教育を目的にして絵本にイイものなし、というのと、ただこいつはすごいんだー!という情熱だけでは、児童書としては良書には今一歩。なんだかなあという感想ともうちょっと頑張ってくれてたら、絶賛できるのにという気持ちの相半。