要するに余暇における産業廃棄物のような話であると踏んだ。
「死んでから人の役に立ちたいというと
・・・よくあるのが献体ゆうやつですね。」
「なんやそれ。」
「死んだらその遺体を病院や医大に引き取ってもらって、実験や研修に使って貰うというやつです。」
「あぁ、大江健三郎の『死者の奢り』ってゆうやつにあるやつやな。俺、アルバイトの学生に棒で小突き廻されるのはイヤや。」
「ちょっと違うんですが…。」
「何でもええけどなんか地味やな。それに、あれは自殺はあかんはずや。」
「そうなんですか…って、知ってますやん。でも、私の叔母が献体しはったんですけど、葬式終わるやないですか、普通は霊柩車来ますけど救急車が来るんです。白衣の人が来て遺体を引き取っていくから、火葬場に行くこともないし、不思議な感じでした。」
「ほうかぁ…。ま、でも、とにかく地味やな。アグネスよりは役に立つええことしたい。」
「あ、アグネスがどれぐらい役に立ってんのか、果たして役に立ってるのかどうかは別の問題なんで、こっちおいときますね。」
私が、さも大事な箱を横にどけるような仕草をすると、彼の視線はその虚構の物体に釘付けとなる。