【バッグバルブマスク(アンビュー)】
「自動的に膨張するバッグ」「リザーバーバッグ」「一方弁」から成ります。
バッグバルブマスクは、自動的にバッグが膨張するため、酸素ガスなどがなくても使用できます。
そのため、人工気道(挿管チューブ、気管切開チューブ)の存在がなく、患者移送や検査中における緊急時には、バッグバルブマスクを選択しましょう。
バッグバルブマスクにリザーバーバッグを装着すると、高濃度の酸素投与が可能となります。リザーバーバッグを使用しないとバッグ膨張時に大気が流入するため、高濃度の酸素は投与できませんが、超緊急時には大気送気で充分です。
吸気時、呼気時でそれぞれ一方向に内気流が流れ、一方弁の働きにより呼気ガス(二酸化炭素)が逆流しない仕組みになっています。
自発呼吸のある患者に使用するときは、呼吸に合わせて徒手的にバッグを揉む必要があります。
【ジャクソンリース】
(引用:http://breathok.com/bvm)ガス供給源があり、人工気道が存在し、自発呼吸が認められる場合は、ジャクソンリースが適しています。
こちらは、回路内のガスの流れは双方向になります。そのため、供給ガス流量(酸素流量)が少ないと、(自分が吐いた)二酸化炭素の再吸入を行うことになります。
自発呼吸があれば、バッグは患者の呼吸に合わせて膨らんだりしぼんだりします。
こちらのバッグは自発的には膨らみませんので、酸素を流し続けてバッグを膨らませる必要があります。
ただし、ガス放出弁を適切に開放していないと、バッグがパンパンになり、患者への適切な酸素送気が行えなくなったり、気道内圧の上昇により気道内損傷を招くこともありますので、注意が必要です。
なお、これを逆に利用して治療に役立てることもできます。
つまり、あえてガス放出弁をやや絞り気味にしてバッグ内の圧力を少し高めにすることで、患者に対してPEEP(呼気終末陽圧)をかけることができるんですね。
※PEEPについて知りたい方はこちら
同じような機器に見えて、用途や使用法が大きく異なるんですね。
ほんと、こういうのを考案して開発した人って、スゴイと思います。
では、また次回