恋愛ごっこ | 私が死んだあとであなたが読む物語

私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

単なるバカの勘違いという可能性も加味して、バイト先の職場にこんな女性がいる。

よく挨拶をしてくれる。

それも笑顔で向こうから。

部署が違うので名前は知らない。

毎日会うわけじゃない。

たまに見かける程度。

廊下ですれ違う人が他の部署の知らない人なら、別に挨拶をしないことが多い。

少なくとも自分の場合はそう。

だから、そんな風に向こうから笑顔で挨拶をされると困る。

好きになる。

ひょっとしたら俺に気があるのか的な発想になる。

彼女は誰に対してもそうしているのかもしれない。

一度朝の社員バスの中で隣同士に座ったことがある。

私が座ってる隣に彼女が座ってきた。

車内はそこそこ混雑していた。

でも私は前の方に座っていたので、私より後ろに空いている席があるかどうかがわからなかった。

もし後ろに空いている席があるのに私の隣を選んで座ったのなら、これまた勘違いしてしまう。

妄想することはたやすい。

彼女は私に気があるとして頭の中で遊ぶことはできる。

そんなことをしていると胸が苦しくなることがある。

ある日、勤務を終えて帰ろうとバスに乗り込むとそこに彼女の姿が合った。

同じ部署の人だろうと思われる女性ら数人とお喋りをしている。

彼女らから離れた後ろの方に座ってその光景を見ていて思った。

こんな私に笑顔で挨拶するくらいだから、彼女はきっと社交的で人とすぐ仲良くなれる。

彼女には友達がいる。

私には友達がいない。

私はただ私という狭い範囲の中で生きているだけの退屈な男だ。

そのことが引っかかってまともに向き合えない。

こんな想いを昔もしたことがある。