母と二人で出かけた車中。
母が何気にこんなことを言った。
「〇〇(弟)は本当に優しい。1番優しい」
なぜそんなことを私に言うのか知らないが、この歳になっても弟と比べられるのかとため息が出る。
昔から母は私と弟を比べては、弟は優しい、弟の方がいい子だと私に言ってきた。
まだ幼かった私は、何度も浴びせられたその言葉に傷つき、悲しんだ。
(お母さんは私より弟の方がかわいいんだ)
そう思うことは何度もあったし、実際にそうだと思う。
弟が悪いことをしても、なぜか母の怒りは私に向けられた。
私は何も悪いことをしてないのに、なぜか私を叱る母に納得できなくて、無言で母をにらんだ。
そしたら「なんだその目は」と、母は私のごはんをとりあげ、家から追い出した。
大人の手を使って子どもを支配しようとする汚い手だ。
悔しくて、悲しくて、ボロボロと涙が溢れた。
大抵は弟が母を説得し、家に入れてもらうのだけど、弟に対しても「お前のせいで追い出されたのに、なんでお前は謝らないんだ」とイライラした。
ヤキモチというよりも、理不尽すぎる二人の態度に私は納得ができなかったのだ。
そもそも、優しいね、いい子だねと育てられた弟と、お前は優しくない、ダメだと言われ続けた私。
どっちが優しい子に育つかなんてわかるだろ。
優しくされた人には優しくしたくなる。
冷たくされた人には冷たくなる。
それが人間でしょ?
そんな育て方をされた人間に、もっと優しくしろなんて無理がある。
私はあんたが嫌いで憎いんだから。
優しくなんてできっこない。
あんたは私に育て方を間違えたなんてよく言ってけど、その通りだよ。
あんたの育て方は毒親そのもの。
あんたのせいで、私は自信をなくし、ゆがんだ大人になった。
どうせお前はと何度も言われ、チャレンジ精神も失った。
あんたの子どもに生まれて、私は不幸です。