【知らない人も意外と多い折り返し乗車のルールについて可能なケースまで徹底解説!!】
◆そもそも折り返し乗車とは何か?
折り返し乗車とは、乗車中の列車が終点に着いて、折り返し行き先が変わる場合にそのまま降りずに、また降りても改札から出ずに再度乗り続けることを言います。また終点ではなくても一度経由した駅を改札を出ずに途中で戻ることも指します。
(例1)紀勢本線紀和駅から和歌山市駅ゆきに乗車し、和歌山市駅で降車せずに再度和歌山駅ゆきとなった列車で紀和駅を通り和歌山駅まで乗車。
なお、駅によっては終点から一度擬似的に回送のようになり、車庫や引き上げ線に入ってから再度駅に入線する場合もあります。
(例2)阪急京都本線高槻市駅。日中の場合、高槻市駅ゆき普通が到着後、一度高槻市駅からやや京都方にある引き上げ線に入線後、約20分後の高槻市駅始発普通列車となる。
また、同じ列車でなくても、並行する同じ鉄道会社線の他線で同じ区間を改札内で乗り換えて戻る場合も、折り返し乗車となってしまいます。
(例3)南海本線住吉大社駅から新今宮駅まで乗車し、改札内で南海高野線準急和泉中央ゆきに乗車し堺東駅まで乗車。この場合、岸里玉出駅から天下茶屋駅の区間の往復運賃が必要となる。
◆折り返し乗車は基本的にダメ?
結論から、通常の乗車券やICカードでは改札内での折り返し乗車は不可となっています。不正乗車扱いとなります。この通常の乗車券やICカードと言うところがミソであり、例えばその鉄道会社線において、折り返し乗車したい区間と期限が有効な定期乗車券・IC定期券や、その区間が含まれる1日フリーパスなどを所持していれば可能です。
また、詳しくは後述しますが、各鉄道会社が折り返し乗車を条件付きで可能とするケースもあります。
しかしながら、前述の通り、一度引き上げ線に入る場合や、車内清掃や整列乗車を目的として一度折り返し駅で列車から降車を必要とするケースもあるので、注意する必要があります。
◆旅客営業取扱基準規程で定める折り返し乗車が認められるケース
鉄道営業法などの法令を基に、各鉄道会社が規則を定めており、その1つとして「旅客営業取扱基準規程」があります。この名称は鉄道事業者により名称が異なることもあります。これらにおいて、本来は鉄道係員の取扱規程となっていますが、乗客にも関連する必要な項目など、各鉄道会社のHPで一部が公表されています。ここでは以下より“旅程”と表現します。
旅程には乗車に際してのきっぷについてのルールも当然ながら記載されています。今回は、この折り返し乗車に関連するものを1つ例に紹介します。
◆旅客営業取扱基準規程◆
□第4章 乗車券類の効力
└第2節 乗車券の効力
└第149条 特定の分岐区間に対する区間外乗車の取扱いの特例
次の各号に掲げる各駅相互間発着(規則第157条第2項の規定により当該区間を乗車する場合を含む。) の乗車券を所持する旅客に対しては、当該各号の末尾かつこ内の区間については、途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで、乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。
・・・・・(1)〜(5)省略・・・・・
(6)今宮又は芦原橋以遠(大正方面)の各駅と、JR難波駅との相互間(今宮・新今宮間)

◆寝過ごしてしまった時はどうすればよいのか?
人間誰でもミスはあります。寝過ごしてしまった場合や間違えた場合などは駅係員に報告すれば、折り返し分の運賃を請求されることは基本的にありませんが、極力気をつけましょう。
折り返し乗車は、先程有効な乗車券があれば可能と説明しました。しかし、折り返し乗車する時、終点の駅にはズラリとホームに並ぶ人がいっぱい、、、
鉄道会社によっては、折り返し乗車する際には一度ホームに降りて並び直してから再乗車を求める車内放送や掲示をしていることもあります。
人の少ない駅などは構いませんが、ターミナル駅や利用客の多い駅、案内がある場合などは協力したほうが無難です。
[2020/10/26(Mon) trainpc7]