研修先のオフィスでは今週からインターンの受け入れが始まり、20人以上の学生が私のいるインターン用の大部屋に入って来て大変賑やかになっている。ほとんどアメリカ人だがアジア人もちらほらいる。

アメリカでインターンというと基本は学生で私のような社会人はまずいない。ある外国人向けの英会話学校で「日本の会社から研修で派遣されて米国の会社でインターンとして働いている」と自己紹介をしたらアメリカ人の先生が、「日本の会社はよくこういうことをするんだよ。アメリカでこれをやったら戻ってきたら辞めて給料のいい違う会社に行ってしまうだろうけどね。」とコメントして世界各国から来た学生達の笑いを取っていたが、海外展開においてまず組織を作り、その動力としての現地の優秀な人を採用してはめ込んでスピーディーに展開していく米国型と時間がかかっても社内の人材を育てて海外の主要なポストは日本人でがっちり固めることを好む日本型の文化の違いを考慮すればこういうインターンの仕組みがないのも理解できる。

さて、つい最近まで日本語と違って敬語がないことで世代が違う人々とも気楽にコミュニケーションが取れるのが英語のいいところだと思っていたが、大学生の若い彼らと付き合う上でニュアンスがわからずムッとさせられてしまうこともある。

インターンの中に一人日本人を見つけ社内で日本人を見るのが珍しいので日本語で話しかけてみるとどうも反応がおかしい。顔も名前も日本人なので非常に違和感を覚えたが、聞いてみるとアメリカ生まれでアメリカ育ち、日本人なのは外見だけで中身はアメリカ人であった。あまりに日本語が片言なので途中から完全に英語に切り替えて話していたところ最後に「アナタノエイゴハワタシノニホンゴヨリトテモジョズデス」とたどたどしい日本語で言ってくれうれしかったので、初めてのインターンで不安なことも多いと思い「あなたのチームは日本向けの仕事もしている。以前、日本語のできる人ということで私が呼ばれてグローバルの仕事を手伝ったことがある。あなたの日本語は彼らをすごく助けることができると思うよ。」と英語で言ってあげたところとても喜んでいた。

一方で、同じ内容でも英語で言われるとどうも受ける印象が違うのだ。女の子(中国人)と話していて最後に「9ヶ月でそこまで話せるようになったならいいんじゃない。Good workよ。じゃね。」と軽く言われて去っていった際には少しムッとしてしまった。こっちでは普通にこう言ったりするのかもしれないが、年上に言う言葉じゃないだろうと思ってしまう。言った本人も悪気はないだろうし、私が単に日本の敬語文化に慣れ親しみすぎているためであろう。年齢を意識せず気軽にコミュニケーションできるという良さがある一方で、自分自身も言い方には注意しないと相手によっては不快にさせてしまうこともあるので気をつけないといけないなと考えさせられてしまった。

恐らく今後私の人生でこうしてたくさんの大学生達と席を並べて仕事をすることはまずないだろう。(来年の後半からまた社会人経験を持った同年代の外国人達とアメリカでビジネスの勉強をすることはあるかもしれないが・・・)アメリカの大学生の職業観や考えていることを理解するいい機会であり、英会話の練習ができる相手が多くなったと前向きに捉え彼らと色々と話をしてみたいと思う。