原発事故「屋内退避」報告書まとまる 複合災害の課題は積み残し

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原発事故「屋内退避」報告書まとまる 複合災害の課題は積み残し(毎日新聞) - Yahoo!ニュース 配信より

 

関西電力高浜原発。手前左から1号機、2号機、奥左から3号機、4号機=福井県高浜町で2025年3月14日午後0時23分、本社ヘリから

 

 原発事故時に5~30キロ圏内の住民に求める「屋内退避」の運用を見直す原子力規制委員会の検討チームは28日会合を開き、退避の期間や解除の条件などを示した報告書をまとめた。一部の自治体が意見を出していた、地震などを伴った複合災害への対応や退避中の生活支援などについては引き続き検討するとして対策を先送りした。4月の規制委定例会で報告書を説明し、原子力災害対策指針に反映する項目を諮る。  報告書は、屋内退避の開始から3日後を目安に継続の可否を判断し、避難への切り替えを慎重に検討するとした。物資の調達や医療など最低限の外出は認め、屋内退避の継続を基本とする。退避を解除する要件として、放射性プルーム(放射性物質を含む雲)が新たに到来する可能性がなく、滞留していない場合とした。  報告書を巡っては、2月に案が公表され、自治体への意見照会では計43自治体から約250件の意見が提出された。この日の会合では全ての意見が公表され、「屋内退避の運用を改めて検討する必要がある」(石川県)「政府全体として想定される事象に優先順位をつけ、対応の検討を」(福島県)と複合災害などへの具体的な対応策を求める声が相次いだことが明らかになった。しかし、報告書は「自然災害への備えが重要」とする従来の方針を維持。「規制庁だけで解決できない」として、新たな対応策は盛り込まなかった。  出席者から「複合災害についてどう議論するつもりか」「留保事項が結構ある。誰がやるのか示してほしい」など修正を求める声が上がったが「関係機関と連携して取り組みを進める必要がある」と追記するにとどまった。検討チームは自治体から寄せられた意見について、4月に改めて回答するとしている。

 

【木許はるみ】

 

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