道南唯一の調理専門学校で最後の卒業式

 

道南唯一の調理専門学校で最後の卒業式|NHK 北海道のニュース 配信より

 

今月末で閉校する函館市にある道南唯一の調理専門学校で5日、最後の卒業式が行われました。

函館市にある「函館短期大学付設調理製菓専門学校」は、1968年の開校以来、およそ6300人が卒業し、道南をけん引する料理人を数多く輩出してきましたが、少子化に伴って定員割れが続いたことなどから、60年近くの歴史に幕を閉じることになりました。
5日、最後の卒業生15人が出席して卒業式が行われ、1人1人に卒業証書が手渡されました。
このあと、山本仁志校長が「食の道で生き抜いていく覚悟を持ち、食を通じて社会に貢献する人材になってほしい」と激励しました。
式のあと卒業生たちは、別室に移動して最後のホームルームを行って学校生活を振り返ったり、写真を撮ったりして別れを惜しんでいました。
卒業生の1人は「学びやが閉校してしまうのはとても残念ですが、道南を食の力で盛り上げられる料理人になりたいです」と話していました。

閉校について、OBやOGからも残念だという声が上がっています。

2003年に卒業した田嶋勇さんは、9年前、函館市内で日本料理店を開店しました。地元の食材にこだわり、地元だけでなく観光客にも多くのファンがいます。ともに店を切り盛りする妻の田嶋怜さんは専門学校時代の同級生です。

勇さんは、「函館の未来の調理師が育つ学校がなくなり残念に思いますし、今後の函館の食にとってすごくマイナスです。函館に食を求めて多くの人が訪れているので、この食文化をこれからもっと発展させていけるよう少しでも力になりたいです」と話していました。

また、怜さんは、「自分たちが学んだ場所がなくなってしまうのは非常にさみしいことです。函館に残っている卒業生たちと一緒に盛り上げていきたいです」と話していました。