紀州漁民・崎山から刺激 浜口儀兵衛、銚子でヤマサ醤油創業 【黒潮ものがたり 紀伊・房総】(30)

2025年1月11日 05:00 | 有料記事

 

紀州漁民・崎山から刺激 浜口儀兵衛、銚子でヤマサ醤油創業 【黒潮ものがたり 紀伊・房総】(30) | 千葉日報オンライン 配信より

 

広屋社史「廣屋三百年を駆ける」より

広屋社史「廣屋三百年を駆ける」より

 

 日本人の食生活に欠かせないしょうゆは、鎌倉時代、紀伊国に西方寺(後の興国寺)を創建した僧、法燈(ほっとう)国師が入宋時に学んだ金山寺みその製法を湯浅の村民に教えたときに、仕込みを間違えて偶然出来上がったのが「たまり醤油」に似たしょうゆの原型でした。

 

 江戸時代に入って間もなく、下総銚子の豪農・田中玄蕃が摂津西宮の酒造家の勧めで、しょうゆ醸造を始めました。ヒゲタ醤油の始まりです。銚子は温暖多湿のため、こうじ菌や酵母の発酵に適していました。その上、原料の大豆や小麦が常陸国から入手しやすいという地理的条件が背景にありました。

 

 正保2(1645)年、広村(有田郡広川町)の浜口儀兵衛(初代 ・・・

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