中間貯蔵施設について見解を述べる村岡知事
中国電力が原発の建設計画がある山口県上関町で使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設を検討していることを巡り、同県の村岡嗣政知事は26日の記者会見で、原発本体と別の原発の使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設が併存する場所は国内にないとして「負担としては非常に過大」との認識を示した。
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村岡知事は中間貯蔵施設について立地可能性調査の段階として賛否を示していないものの「上関原発がありながら、別に中間貯蔵施設のように他のところの使用済み核燃料を受け入れる施設は全国にない。これは大きな負担」と説明。
中電が具体的な計画を出した段階で「中電に考え方を確認しなければいけない大きな論点だ」と強調した。
村岡知事は一方で、上関原発を巡って2001年に当時の二井関成知事が建設計画に同意を表明した際、使用済み核燃料の貯蔵・管理を発電所内での新たな貯蔵施設に頼らず、長期にわたらない対策などを国に求めた知事意見を踏襲する考えも示した。
知事意見は今後の対応によっては「計画推進に県が有する権限、事務、協力などを留保することもあり得る」として、6分野21項目の条件を付けていた。村岡知事は中間貯蔵施設についても知事意見を踏まえ「整理する必要がある」と述べた。
上関原発の建設計画は11年の東京電力福島第1原発事故で中断している。
中国新聞社