メキシコが万博撤退の意向 〝ドミノ〟広がる懸念 食い止められるか
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メキシコが万博撤退の意向 〝ドミノ〟広がる懸念 食い止められるか(産経新聞) - Yahoo!ニュース
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工事が進む人工島・夢洲の会場=10月31日午前、大阪市此花区(甘利慈撮影)
メキシコが2025年大阪・関西万博への参加から撤退する意向を関係者に伝えたことが9日、分かった。
参加を表明している国の多くは、予算や人員の確保に苦労しながら万博の準備を進めてきた。
メキシコの撤退でそうした国の心理的ハードルが下がり〝撤退ドミノ〟が広がれば、
完全にパビリオンのそろわないみすぼらしい万博となり、集客力や収益力も打撃を受けかねない。
【写真】落合陽一氏が手がけるパビリオン。鏡のような建物の外観
「われわれが提示した(パビリオンの)建設費に対し、各国が提示した予算は半額程度だった。
しかし、各国が自国の政府に新たな追加の予算を要求するのは極めて困難だろう」
多くの国とパビリオン建設の交渉を行ったあるゼネコンの関係者は、各国の厳しい状況を、こう説明した。
各国は、極めて限られた時間で万博の準備を進めてきた。
2022年2月にはロシアがウクライナに侵攻し、パビリオン建設に必要な資材の価格が急騰。
各国が用意した予算と実際の建設費が折り合わなくなり、
各国の万博担当者は、一度組んだ予算やパビリオンの出展形態を見直さなければならなくなるなど
苦境に追い込まれた。
撤退する国が出るのを防ぐため、日本国際博覧会協会(万博協会)は、
負担の軽い簡易型パビリオンの用意や、準備をサポートするスタッフの増員といったつなぎ止めの努力を続けてきた。
しかし、メキシコに関しては、そうした努力が実らない可能性が出ている。追随する国が相次げば、初め想定していた規模での万博はできず、魅力が失われる恐れもある。
協会は、万博参加のメリットを高め、各国をつなぎとめる努力がさらに必要となる。(黒川信雄)
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