小沢氏「王国」死守へ懸命 岩手知事選、影響力左右

配信より

 

小沢氏「王国」死守へ懸命 岩手知事選、影響力左右(時事通信) - Yahoo!ニュース

 

街頭演説をする立憲民主党の小沢一郎氏=8月31日、盛岡市

 

「小沢王国」と称される岩手県の知事選(3日投開票)で、立憲民主党小沢一郎氏が懸命の選挙運動を展開している。  

 

「豪腕」「壊し屋」の異名を誇った影響力も陰る一方で、勝敗によっては自身の政治生命に重大な影響が生じかねない。悲願の「政権交代」へ踏みとどまれるか。81歳の大ベテランが正念場を迎えている。  

 

知事選は無所属2人の争い。立民など野党は現職の達増拓也氏、与党は新人で元県議の千葉絢子氏を支援し、与野党一騎打ちの構図となっている。  

 

「県民の皆さん、おばんでございます」。8月31日夜、盛岡市内で街頭に立った小沢氏は地元なじみのあいさつで切り出すと、5選を目指す達増氏への支持を繰り返し呼び掛けた。  

 

小沢氏を取り巻く環境は、かつてなく厳しい。旧民主党の分裂以降、存在感の乏しさは否めず、立民内でも無役に甘んじる。さらに、2021年衆院選ではお膝元の岩手3区で初めて敗北。22年参院選でも岩手選挙区で立民候補が苦杯を喫した。  

 

年内の可能性も取り沙汰される衆院解散・総選挙に向け、小沢氏は最近、野党候補の一本化を求める議員を束ねて党執行部への働き掛けを強化。しかし、四半世紀超も政治活動を共にした達増氏を失う事態になれば、目標とする「非自民政権」樹立どころか、自らの当選すら危ぶまれる。  

 

「ここで食い止めなければ危うい。『最終防衛線』の位置付けだ」。立民関係者は、小沢氏の胸中をこう推し量った。  

 

対する自民、公明両党は千葉氏の勝利を目指す。達増氏への「多選」批判を軸に、小沢氏の牙城を突き崩し、「国政からの追い落とし」(自民党幹部)につなげたい考えだ。  

 

ただ、岸田内閣の支持率低迷が影を落としている。自民党関係者は、政権批判が知事選に影響することを避けるために「幹部の現地入りを控えざるを得ない状況だ」と明かす。千葉氏は1日、X(旧ツイッター)で「選挙戦も残り2日。まだまだ声は元気だ」と語り、支持を訴えた。 

 

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