記録的な大雨 秋田市と五城目町で30医療機関が浸水被害
記録的な大雨 秋田市と五城目町で30医療機関が浸水被害|NHK 秋田県のニュース
配信より
秋田県医師会は、今回の記録的な大雨で秋田市と五城目町で合わせて30の医療機関が浸水被害を受け、このうち11は今も休診していることを明らかにしました。
今回の記録的な大雨について、県医師会は各地の医師会を通じて県内の医療機関の被害の状況を取りまとめ、26日、秋田市で記者会見を開いて発表しました。
それによりますと、大雨による被害を報告した医療機関は秋田市で45、五城目町で2でした。
このうち、施設の浸水被害は30で、床上が秋田市と五城目町で合わせて25、床下が秋田市で5となっていて、今も11の医療機関が休診しているとしています。
中には「検査機器が全滅」とか「患者送迎車が水没」、それに「建物がゆがんだ」という報告もあったということです。
県医師会の小泉ひろみ会長は「十分な診療ができず、ご迷惑をおかけしているところもあるが、1日も早い全面復旧を目指していくので理解と協力をお願いします」と話していました。
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秋田県 1週間の新型コロナ感染者4週連続で増加
秋田県 1週間の新型コロナ感染者4週連続で増加|NHK 秋田県のニュース
秋田県は、今月9日までの1週間に定点把握された新型コロナウイルスの感染者数を発表し、
1医療機関あたりの平均は前の週の1.5倍の4.87人となり、4週連続で増えました。
新型コロナウイルスの感染者数について、
県は、県内52の医療機関からの報告をもとに毎週木曜日に発表しています。
県によりますと、今月9日までの1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は253人で、
前の週より79人増えました。
1医療機関あたりの平均は4.87人で、前の週より1.52人、率にして1.5倍に増えました。
保健所別では、いずれも医療機関あたりの平均で秋田市が前の週より3.1人増えて7.55人、
秋田中央保健所管内が4.33人増えて7人、
大仙保健所管内が2.43人増えて7人、
由利本荘保健所管内が0.67人増えて4.5人、
湯沢保健所管内が2人増えて4人だった一方、
北秋田保健所管内が0.33人減って2.67人、
大館保健所管内が0.67人減って1.33人、
能代保健所管内が1.25人減って1人でした。
横手保健所管内は前の週と変わらず3.2人でした。
また10人以上の「集団発生」が大仙保健所管内の高齢者施設で報告されています。
県保健・疾病対策課は「暑くなりマスクの着用もしづらくなる季節だが、
感染者数が増加傾向にあり、感染対策を徹底してほしい」としています。
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前会長から「次はお前だ」と言われ決意 - 小泉ひろみ・秋田県医師会会長に聞く◆Vol.1
インタビュー 2022年8月11日 (木) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
各都道府県医師会で2年に1回、実施される役員選挙。今年の選挙で初めて秋田県と岐阜県の両医師会で女性の会長が誕生した。秋田県医師会会長に就任したのが、2008年から県医師会の常任理事や副会長を計14年務めてきた小泉ひろみ氏だ。
小泉氏は小児科医であり、副会長時代は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応などにあたってきた。会長就任の抱負、秋田県が抱える医療課題のほか、これまでの医師会活動を中心に経歴をお聞きした(2022年8月3日にインタビュー。全3回の連載)。
――ご略歴をお伺いできますか。先生は秋田市出身で、東京女子医科大学の卒業です。
両親ともに医師で、父が内科医の開業医、母は精神科医で祖父の精神科病院に勤務しています。そんな家庭で育ったので、医師になるのは私にとって自然なことでした。2人の兄も医師です。私自身は高校までは秋田市、大学が女子医大です。小児科を選んだのは、学生時代は山岳部やバンドでの活動に加えて、同級生が立ち上げた小児障害医療研究会に参加したのがきっかけです。学生ですから、医療行為はできませんが、小児病棟に入院している子どもたちの「お姉さん役」として一緒に遊んだり、糖尿病患者のキャンプ活動に同行するうち、私自身のメンタルが上がるというか、逆に子どもたちから元気をもらうようになり、小児医療への関心を深めたのです。
小泉ひろみ氏 1981年東京女子医科大学卒業、同大小児科などを経て、1993年から市立秋田総合病院小児科、2019年に「秋田こどもの心と発達クリニック」開業、2008年秋田県医師会常任理事、2018年同副会長、2022年6月から同会長。
大学卒業は1981年。その後は女子医大の小児科医局に入局、小児神経学を中心とする教室だったので、てんかんや発達障害などに従事させていただき、その後、周産期医療センターが発足した時には同センターで勤務したりしていました。
秋田に戻ったのは1992年です。以降、2019年に秋田市内に「秋田こどもの心と発達クリニック」を開業するまで、市立秋田総合病院で勤務していました。当初は新生児医療にも従事していましたが、市立病院の小児科医が増えるに従い、小児精神医療を中心に取り組んでいました。2019年にクリニックを開業したのは、臨床心理士さんを常勤で雇用し、チーム医療で小児精神医療を実践していきたいと考えたからです。
――医師会活動には、いつ頃から参加されるようになったのですか。
2008年からです。当時の秋田県医師会長・小山田雍先生からお声をかけていただきました。
正直、それまで全く医師会活動はしていませんでした。病院勤務医として目の前の患者さんの診察で忙しく、そもそも医師会がどんな活動をしているのかも知らなかったのです。
しかし、実際に医師会活動を始めてみると、医療現場と行政の間に入る医師会という存在がなければ、医療が成り立たないことに気づくようになったのです。医師は、若い頃は目の前の患者さんの診療に一生懸命です。病院勤務医として幹部になってくると、病院の維持・発展のため経営のことも考えるようになる。さらに医師会活動を始めることで、地域全体の医療提供体制のことを考えるようになるというステップでしょうか。
医師会活動を始めた翌2009年には新型インフルエンザのパンデミックがあり、行政との協議などを担当しました。何か事業を起こすにしても、関係者を取りまとめる役割がいないと、地域で実践するのは難しいことを経験しました。小山田会長がとても理解のある方で、私が「こんなことをやりたい」と提案すると、結構認めてくださり、とてもやりやすかったですね。そこから今に至るまで、長居をしています(笑)。
――例えば、どんな新規事業を提案されたのですか。
さまざまな事業に取り組みましたが、その一つが児童虐待対応です。医療機関や関係団体をまとめるところがなかったため、医師会が主導し、医療機関を中心に、警察や児童相談所など関係者のネットワークを作り、対応する体制を構築しました。児童虐待の実態を調べるための行政への問い合わせでも、一勤務医の立場とは異なり、医師会の立場で問い合わせるとすぐに回答いただけました。小児科医と産婦人科医が連携し、妊娠中からの虐待予防に取り組んだこともあります。2011年の東日本大震災の時は、小児科医は直接的に支援できることが少なかったものの、その年の夏休みに、小さいお子さんがいるご家族を被災地から秋田に招くイベントを開いたこともあります。
直近の2年強は、私は副会長として新型コロナウイルス感染症対応にあたり、行政や関係団体など、さまざまなステークホルダーをまとめる医師会が果たす役割の大きさを改めて感じました。秋田では、2020年当初、県医師会会長だった小玉弘之先生が日医の常任理事も務めていたこともあり、さまざまな情報が迅速に入り、県医師会の対策本部も比較的早く立ち上げることができました。その上で、国の指示待ちではなく、仮設診療所や宿泊療養施設の設置、クラスター発生病院への支援、ワクチンの集団接種会場への医師や看護師の派遣体制構築にあたって、関係者を調整し、対応してきました。
――医師会は、組織力強化が課題になっています。そうした医師会の役割を説明されていく必要があるのでは。
よく「医師会に入って何かいいことがあるのか」などメリット論を聞かれます。確かに開業医では、診療報酬の個別指導に医師会役員が立ち会うなど直接的なメリットがある一方、勤務医ではそうしたメリットを感じにくいかもしれません。しかし、地域医療という視点に立てば、メリットは大きいものがあります。もちろん、目の前の患者さんを治すことは重要ですが、それだけでなく地域の医療提供体制を構築するために、一緒に活動していただきたい。そうすれば医師会の役割、意義が見えてくると思います。
――では、いつ頃から、どんなきっかけで会長を務めることになったのでしょうか。
小山田会長の下で5期10年、常任理事を務め、2016年から会長になられた小玉弘之先生の下で、2期4年、副会長を務めました。3人の副会長のうち筆頭になった、ちょうど2年前頃でしょうか。なんとなくですが、小玉会長から「次はお前だ」という感じになってきたのです。