秋田市が被災10日でようやく農林被害の第1報

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秋田市が被災10日でようやく農林被害の第1報(産経新聞) - Yahoo!ニュース

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運び込まれた災害廃棄物で埋め尽くされた秋田市の広面近隣公園=23日夕、同市下北手

 

記録的大雨の被害が深刻な秋田市は24日の災害対策本部会議で、農林関係の被害額が前日までの把握分だけで23億円余に上ると報告した。被災10日でようやく第1報をまとめたもので、市民から「災害対応が遅すぎる」と不満が高まっている。 

 

■県内農林水産被害は計40億円超に 報告によると、水稲と栽培作物の被害面積は1880ヘクタールで、ビニールハウスを含めた被害額は約8億4600万円。水路やため池、農道など農地・農業施設の被害は169カ所で約10億9300万円。林道・林地が69カ所で約3億6500万円だった。 

 

秋田県によると、このうちすでに農地・農業施設と林地・林道の一部約5億円分は同市から被害報告を受けているという。 県が同日時点でまとめた農林水産関係の被害額は、この秋田市の約5億円を除き、17市町村で約17億7000万円。これに秋田市の第1報分を加えた被害総額は40億円超となった。 

 

■土木被害は52億円超に また、県がまとめた土木施設関係の被害は24日時点で、河川が79件の約18億5600万円、道路が55件の約24億2200万円、橋梁(きょうりょう)が2件の約10億円。

 

合わせて136件の約52億8200万円となった。 秋田市以外の市町村からは被災3日の今月17日から農林水産関係の被害状況が報告され始め、県は20日に被害額の第1報をまとめている。 

 

■ようやく災害廃棄物の戸別収集 川の氾濫と平地に降った雨があふれる内水氾濫が重なった秋田市は家屋被害が深刻で、被災10日となっても多くの住民が浸水した住宅などの片付けに追われている。 

 

車も水没して動かなかったり、住民が高齢だったりして被災した家財などが敷地外まであふれる住宅は少なくないが、各住宅の前まで収集車が回って災害廃棄物を集める戸別収集は、24日になってようやく一部地域で始まった。 

 

■搬入可能な集積場は1カ所に 一方で市は、2カ所に集約していた災害廃棄物の仮置き場・集積場のうち、東部の広面近隣公園(広さ約1・3ヘクタール)の受け入れを24日いっぱいで停止した。「受け入れ可能容量に達した」という。 災害派遣されている自衛隊は引き続き、同公園から集積場となっている西部の旧秋田空港跡地への廃棄物搬出を続ける。

 

 冠水した地域では、下水を含む汚水が引いた後の汚泥が、乾燥した粉塵(ふんじん)となって緑地帯や道路端などに堆積。人や車が通るたびに舞い上がって飛散しており、住民からは感染症の懸念も高まっているが、街路消毒はまだ行われていない。

 

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