秋田市に災害派遣の自衛隊 暑さと危険の中で徹夜3日目

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秋田市に災害派遣の自衛隊 暑さと危険の中で徹夜3日目(産経新聞) - Yahoo!ニュース

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公園を埋め尽くす災害廃棄物の搬出に徹夜で当たる自衛隊員ら=23日午後6時40分、秋田市の広面近隣公園

 

記録的大雨の被害が深刻な秋田市で23日夜、災害派遣された自衛隊員らが、あふれ返る災害廃棄物の搬出作業に当たった。この日の秋田市は日中の最高気温が31度を超え、作業開始の午後6時でも28度超の暑さ。加えて感染症の危険も増す中で、派遣3夜目の徹夜作業を続けた。 

 

■防塵マスクとゴーグルで身を守り 陸上自衛隊秋田駐屯地から派遣されているのは隊員71人と、積載量8トンの特大ダンプ2台、同5トンのダンプ6台、グラップルと呼ぶ巨大な鉄の爪を備える自走式重機2台など車両14台。派遣先では、下水などが混じって感染症の危険もある汚泥が、暑さで乾燥した粉塵(ふんじん)となって舞い上がる。このため隊員らは、粉塵を吸い込んだり目に入らないよう、防塵マスクとゴーグルを装着している。 秋田市では7カ所あった災害廃棄物の仮置き場が、22日から東部の広面近隣公園(広さ約1・3ヘクタール)と西部の旧秋田空港跡地の2カ所に集約された。部隊は21日夜からこの2カ所に派遣され、広面近隣公園に被災者が運び込んだ大量の廃棄物を、約10キロ離れた空港跡地の集積場に搬出している。 

 

■巨大な鉄の爪で積み込み 派遣3夜目の23日も、駐屯地からトレーラーで運ばれた重機が公園に着くと、鉄の無限軌道で園路の舗装を傷めないよう、危険な粉塵が舞いがる中を隊員らがゴムマットを順繰りに並べて作業場所へ。横付けしたダンプは、巨大なグラップルが廃棄物をつかんで3、4回往復すると早くも満杯に。途中で廃棄物をこぼさないよう慎重な運転で空港跡地へ向かった。 作業は午後6時から翌朝6時まで徹夜で行われ、21~22日にダンプ延べ45台分、22~23日は同じく58台分を運んだ。 

 

■搬出しても次々に運び込み 毎晩の作業で公園全体の約1割を搬出しているが、昼間は空いた場所に被災住民が新たな災害廃棄物を運ぶ。23日も午前9時から午後5時までにワゴン車や軽トラックなど延べ約800台分の廃棄物が運び込まれ、公園内が大量の廃棄物で埋め尽くされる状況は変わっていない。同駐屯地は「派遣作業は当分続きそうだ」という。 派遣部隊の指揮に当たっている第21普通科連隊第1中隊長の遠藤俊祐3佐(38)は、厳し暑さの中での連夜の作業について「私たちは日ごろ厳しい訓練で心身を鍛えているので、任務完遂に不安はありません」としたうえで、「県民の皆さんが一刻も早く日常を取り戻せるよう全力で取り組んでいます」と思いを語った。 

 

■ほかに1市2町1病院にも災害派遣 14日から秋田県内で続いた記録的大雨の被害で、同駐屯地からは八峰町に給水のため隊員6人と車両2台を1週間、同じく男鹿市に14人と6台を4日間、秋田市の民間病院に患者移送のため36人と10台を半日にわたり災害派遣。五城目町にも給水のため23人と8台を17日から派遣中だ。

 

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