日産の「軍用車」総入れ替えへ 関係深いスペイン陸軍のアシ車 “次も日産”が難しそうな理由

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日産の「軍用車」総入れ替えへ 関係深いスペイン陸軍のアシ車 “次も日産”が難しそうな理由(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース

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新LUVは商用車をベースにする予定

スペイン陸軍で使用されている日産「パトロール」(画像: スペイン国防省)。

 

 スペイン国防省は現地時間の2023年6月20日、陸軍と警備隊向けの軍用多用途軽車両(LUV)4500台購入する方針を固めました。予算は3億1500万ユーロ(約500億円)となるようです。

 

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この新車両は、現在スペイン陸軍が使用しているLUVであるサンタナモーターズ製の「アニバル」と日産製の「パトロール」が旧式化したのを置き換えることを目的としています。  

 

特にアニバルの方は、サンタナモーターズそのものが2011年に廃業し、工場も閉鎖してしまったため部品がそろわず、緩んだナットを接着剤で固定したり、シートベルトが欠損するなど深刻な状況になっています。  

 

スペイン国防省は既に4月、新LUVに関する仕様書をまとめており、主に戦闘用ではなく、後方支援任務や指導、訓練などに使用するとしています。

 

そのため、軍用車両をいちから開発するのではなく、SUVなどオフロード走行に優れる車両をベースに、防弾装備やウインチなどを取り付ける改造を加えるとみられています。

 

なお、ディーゼル燃料使用とも指定があるようです。  

 

車両の正式採用に先行し、スペインの国家憲兵に当たる治安警備隊は、新車両としてトヨタの「ランドクルーザー」を独自に納入しています。

 

陸軍でも、操縦訓練場や射撃場の移動のために韓国のKGモビリティ製SUV「ムッソグランド」を採用し、「アニバル」の一部と置き換えているとのこと。これらの採用車両が、今回の本格的な更新に影響を及ぼす可能性も考えられます。  

 

なお、「パトロール」を提供していた日産は1983年、欧州初の拠点としてバルセロナの工場を操業。同工場は2021年12月に生産を終了しましたが、他にもアビラとカンタブリアの2か所にスペインの生産拠点を持っており、未だに深い関係は続いています。 

 

そのため、次世代のLUVに再び日産の車両が採用になる可能性も期待したいところですが、調達車の仕様にディーゼル車とあるため、厳しい可能性があります。というのも、現在の日産でディーゼルの採用は、商用バンを残すのみとなっているためです。  

 

なお、国防省は契約の最終調整を進めており、スペイン国内では数週間以内に発表があるだろうと予想されているようです。

乗りものニュース編集部

 

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