【山口県】徳山商店連合㈿に破産開始決定 負債額は5億4千万円 駐車場ピピ510は昨年売却
日刊新周南 配信より
【山口県】徳山商店連合㈿に破産開始決定 負債額は5億4千万円 駐車場ピピ510は昨年売却(日刊新周南) - Yahoo!ニュース
山口県周南市糀町の大型立体駐車場のピピ510を運営していた徳山商店連合協同組合(藤村哲一代表理事)が3月30日に山口地裁周南支部から破産開始決定を受けた。
負債総額は5億4千万円。
破産管財人は今宿町の清木法律事務所の清木敬祐弁護士。
同組合は1987年にJR徳山駅周辺の6商店街の出資で設立され、国の高度化資金を活用してピピ510を建設し、昨年8月に売却するまで約35年間にわたって運営していた。
民間の信用調査機関、㈱東京商工リサーチによると、開業当初はバブル景気の余波が残り、大型スーパーや近鉄松下百貨店もあって利用者も多く、計画通りの事業運営ができていた。
しかし、大型店が次々に撤退し、下松市や旧新南陽市など近隣に郊外型店舗が出店してきたことで利用者が減少して採算が悪化。2002年ごろからは経営改善に着手したが、思うように進まず、高度化資金の支援期間延長の措置を受けるなどしていた。
コロナ禍が追い打ち、利用者減少
近年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大で利用者の減少が進み、高度化資金の返済の目途が立たなくなったという。このため昨年8月に「ピピ510」を売却して残債務の整理を進めていた。
ピピ510は1階がL、S、Mホールのあるコミュニティ施設▽2階から6階までが駐車場で駐車台数は510台。商店街の駐車場不足が問題になる中、市から8億1,500万円の補助を受け、高度化資金18億5,500万円を借り入れて総額31億5,800万円で建設した。
開業当初は日曜、祭日には4回転と2千台以上の利用があった。青年部を中心に歳末大売り出しも開いていた。1階のホールは産官学の交流会「周南パラボラ会」などイベント会場としても親しまれていた。
ピピ510は売却後も駐車場事業を継続中。今回の県議選ではコミュニティ施設だった1階に選挙事務所を開設した陣営もあった。
徳山商店連合協同組合では駐車券も発行し、商店がこれを買い取って一定額以上の買い物をした人に提供するサービスもあった。
この駐車券の発行事業は、徳山駅前再開発で建設中の商業施設の運営などを手掛ける㈱パークタウン商業運営(黒神直大社長)に譲渡し、3月から同社が駐車券を販売し、ピピ510でも使用できる。
徳山駅前のみなみ銀座、銀座では再開発が進行中で、すでに徳山商工会議所や金融機関、周南観光コンベンション協会が入るビルが完成し、高層マンション、商業施設、ホテルも建設が進んでいる。
その中での、商店街でつくっていた同組合のピピ510売却に続く破産開始決定となった。
【関連記事】