「戦争をする気にならない歌を」 元フォークルのきたやまおさむさん
聞き手・鵜飼真
「戦争をする気にならない歌を」 元フォークルのきたやまおさむさん:朝日新聞デジタル (asahi.com)
配信より

1960年代のヒット曲「帰って来たヨッパライ」などで知られるフォークグループ「ザ・フォーク・クルセダーズ(略称フォークル)」の元メンバー、きたやまおさむさん(76)。70年代にヒットし、社会現象にもなった「戦争を知らない子供たち」を作詞し、現在は白鷗大学(栃木県)の学長を務めています。創作の原点は京都と語るきたやまさんに、文化発信と平和への思いを聞きました。(聞き手・鵜飼真)
「戦争を知らない子供たち」「あの素晴しい愛をもう一度」などのヒット曲を作詞したきたやまさん。京都府立医大生のとき、加藤和彦さんらとフォークルを結成しました。
――1960年代後半、「帰って来たヨッパライ」は全国で大ヒットしました。京都の大学生が作って歌った曲が、なぜ人気に。
「当時、全国区で人気になるには、東京に行かなければならない、と言われていました。関西では人気のグループも、東京へ行って大手プロダクションに入って名前も変えて、大先生作曲の作品を歌った。関西にいながら全国区になるのはありえない話だったので、みんな大学生やから解散するしかなかった。それで、解散記念でアルバム『ハレンチ』を作りました」
――そのアルバムに、「帰って来たヨッパライ」が入っていました。
「借金して、総予算25万円くらいで300枚作ったレコードですよ。ただ、当時、全国へ向けて発信するためのメディアが整いつつあった。自分たちの手元でレコードが作れる時代になり、レコードをプレスしてくれる会社とか、スーパーで宣伝を流すための録音スタジオとかができていた。そういうルートを見つけたのが大きかった。既成の曲ではなく、学生が自分たちで作った曲じゃないと意味がなかった。いろんな要素が組み合わさってのヒットでした。
――どんな要素ですか。
「レコードは、売ろうと思っ…