日銀総裁に植田氏 初の学者出身 参院が人事案に同意
3/10(金) 10:21 産経新聞 配信より

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参院議院運営委員会で答弁する日銀次期総裁候補の植田和男氏=2月27日午後(矢島康弘撮影)

参院は10日の本会議で、4月8日に任期満了を迎える日本銀行の黒田東彦総裁(78)の後任に元日銀審議委員で経済学者の植田和男氏(71)を充て、副総裁に前金融庁長官の氷見野良三氏(62)、日銀理事の内田真一氏(60)をそれぞれ起用する政府人事案に与党などの賛成多数で同意した。衆院は9日の本会議で同意しており、植田氏は内閣の任命を経て4月9日に就任する。

日銀総裁の交代は10年ぶりで、学者出身の総裁は戦後初めて。氷見野、内田両氏は3月20日に副総裁に就任する。正副総裁の任期は5年。

参院本会議の採決では、立憲民主党が内田氏に反対し、共産党などが正副総裁の人事案に反対した。

新体制発足後、新たな正副総裁が初めて出席する4月27、28日の金融政策決定会合で、歴代最長の10年にわたる黒田体制で進めた大規模緩和策について修正を打ち出すかに注目が集まりそうだ。植田氏は2月、衆参両院での所信聴取で、現在の大規模金融緩和について「2%の物価上昇目標の実現にとって必要かつ適切な手法だ」などと指摘し、継続する意向を示した。一方で、超低金利環境の長期化による副作用に配慮する姿勢もみせた。

植田氏は金融政策の研究が専門。米マサチューセッツ工科大で経済学の博士課程を修了し、東大教授に就任した。平成10年から7年間、日銀の審議委員を務め、在任中は日銀のゼロ金利政策導入などを理論的に支えた。

政府は2月14日、衆参両院の議院運営委員会理事会に人事案を提示していた。

最終更新:3/10(金) 11:24 産経新聞