工法変更で工事費7700万円削減 地震被害の本山興正寺

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工法変更で工事費7700万円削減 地震被害の本山興正寺|文化時報社|note

配信より

 

※文化時報2021年4月12日号の掲載記事です。

 

2018年の大阪北部地震で被害を受けた真宗興正派本山興正寺の御影堂(京都市下京区)で、工法を変更して修復工事が行われている。内陣の柱を鉄材で支える方法から、天井に引張材などを組み込んで柱にかかる荷重を逃がすようにした。当初予定していた工事費から約7700万円削減できるという。2日に宗派寺院へ通達した。

 

 興正寺御影堂は、18年6月に発生した大阪北部地震の影響で、内陣の柱が折損したことが判明。屋根を支えることが難しく、現在は使用を停止し、内陣両側の柱に仮補強を施している。

 

 宗派は、23年の宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要、御影堂等復旧奉告法要、華園沙弥香嗣法の就任式の記念事業として、御影堂修復を核とした境内整備を計画。全国の教区で概要や予算などの説明を行い、宗派寺院に特別賦課金=用語解説=を依頼している。

 

 柱を鉄材で支える当初の工事計画では、屋根を持ち上げる必要があり、工事費が約1億5800万円となる見込みだった。工事は、梁を鉄骨トラスで補強し、屋根の荷重を軽減。天井に圧縮材や引張材を設置して柱を固定する。工事費は約8100万円となる見込み。

 

 初期工事となる鉄骨トラスの設置はすでに始まっている。工期は当初、11月までの予定だったが、変更後は未定という。

 

 工法変更は、設計を担当する建築研究協会、施工の伸和建設と内局が協議して決めた。三井雅弘宗務総長は「まずは工事に掛からないと終わりが見えない。シロアリ被害も確認されており、全ての工事を当初予算内で収められるようにしたい」と話している。
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【用語解説】賦課金(ふかきん=仏教全般)
 宗派の運営資金として、一般寺院や僧侶から集める納付金。近年は各宗派で見直しが進む。

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