【動画あり】後鳥羽上皇起源の牛突き 海士で23年ぶり大会
【動画あり】後鳥羽上皇起源の牛突き 海士で23年ぶり大会 | 山陰中央新報デジタル (sanin-chuo.co.jp)
横綱戦で激しくぶつかり合う突き牛=島根県海士町海士、隠岐神社外苑
1221(承久3)年に配流された後鳥羽上皇が高覧したのが起源とされる牛突きの大会が16日、1999年以来、島根県海士町海士の隠岐神社で23年ぶりに開催された。1トン近い巨体の迫力ある勝負が3番繰り広げられ、町内外から集まった700人が手に汗を握った。 (鎌田剛)
承久の乱で敗れた後鳥羽上皇が海士町崎地区に到着した、来島800年の記念事業の一環。来島後、住まいに移動する際、牧で子牛が角を突き合わせる姿を見て喜ぶ姿に、島民が癒やしとして始めたのが牛突きの起源という説がある。
ただ、町内では繁殖用の雌牛が増える一方、雄牛が減ったため、牛突きは明治末期に廃れた。以来不定期で島外から牛を搬入して開催され、今回も当日朝、隠岐の島町からフェリーで、8月の夏場所で優勝した龍神(5歳、930キロ)など7頭が運ばれてきた。
奉納牛として龍神には境内で記念の化粧着物を授与され、外苑の土俵で牛突きを開催。塩をふりながら派手なのぼりを持って練り歩く土俵入りに続き、引き分けを前提とする2番の取組があった。
盛り上がったのが結びの一番の横綱戦。千登勢会(西郷地区)所有の八宝力(はっぽうりき)(6歳、930キロ)と、野津三男さん(那久地区)の天鳳(てんほう)(6歳、980キロ)の真剣勝負で、互角の突き合いが10分余り続き、最後は天鳳が押し切った。大きな拍手の中、綱取りの門脇淳平さん(30)や仲間が天鳳の背に乗って勝利を祝った。
前回の牛突きを見た記憶がある自営業の元吉祐貴さん(33)は「音や迫力がすごかった」と改めて魅せられた様子だった。