菅前首相が「国葬」弔辞で引用の『山県有朋』本が品切れ、重版も 安倍元首相の最後の「読みかけ」で注目 ツイッターでトレンド入り
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菅前首相が「国葬」弔辞で引用の『山県有朋』本が品切れ、重版も 安倍元首相の最後の「読みかけ」で注目 ツイッターでトレンド入り(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
27日に営まれた安倍晋三元首相の国葬で、菅義偉前首相が弔辞のなかで紹介した政治学者、岡義武氏の著書『山県有朋』(岩波書店)がネット通販で売り切れ、書店でも相次いで品切れ状態になっている。
安倍氏の最後の「読みかけの本」だったことで注目された同書はどんな本なのか。
【写真】安倍氏の最後の「読みかけの本」で重版も決まった「山県有朋」
菅氏は弔辞で、山県が亡き伊藤博文をしのんだ短歌「かたりあひて 尽しゝ人は 先だちぬ 今より後の 世をいかにせむ」を、「私自身の思いをよく詠んだ一首」として、同書を引用しながら紹介した。
明治の元勲、山県の評伝で、名著として呼び声が高い同書は1958年に初版が発行された。
一時、絶版が続いていたが、2019年に文庫で新版が発売された。
著者の岡氏は政治学の権威で、戦前から東大法学部で日本や欧州の政治史、外交史などで教鞭(きょうべん)をとった。1986年に文化勲章も受章。
イデオロギーにとらわれない実証的な研究で知られ、中曽根康弘元首相やJR東海元会長の葛西敬之氏、国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏ら講義やゼミなどで影響を受けた人物は多い。
長州(現・山口県)出身の山県は3歳下の伊藤を盟友として激動の時代を歩んだが、首相に就任したのは伊藤が先だった。
菅氏も6歳下の安倍氏を支え、その後首相となった点が重なる部分もある。
ツイッターでは菅氏の弔辞を受けて「#山県有朋」がトレンド入りした。
アマゾンでは新刊が売り切れで、中古品も定価(税込み924円)の3倍近くまで高騰。
翌日には電子書籍を除き、ともに品切れ状態になった。
売れ筋ランキングでは「日本史一般の本」「明治・大正時代」のカテゴリで1位にランクインした。
版元の岩波書店は27日夕、ツイッターで「文庫版は現在重版中です」と発表した。
同社営業部は「もともと売れている本で、常に手持ちの在庫を持っておきたいと思っていた。在庫が少なくなってきてそろそろ重版をしなければいけないと思っていたタイミングだったので、急いで手続きを取った。10月中旬以降に順次、書店などに並ぶと見込んでいる」とコメントした。
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