岸田首相「万事休す」…物価高騰、国葬、旧統一教会問題「八方ふさがり状態」が10月にいよいよヤバくなる

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「火だるま」の岸田首相

 

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 10月4日、岸田文雄首相は第100代内閣総理大臣に就任してから1年の節目を迎える。

 

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従来であれば、番記者たちが、朝、官邸入口で岸田首相を待ち構え、「総理、就任1年の感想は?」と質問を浴びせ、岸田首相も気軽に応じるはずが、「国民の声に耳を傾けながら、1つ1つ結果を出してまいりたい」と、9月20日、報道陣の前で述べたフレーズを眉間にしわを寄せながら繰り返すしかないのではないか。  

 

参議院選挙での圧勝からわずか3ヵ月足らず。岸田首相は今、安倍晋三元首相の国葬問題、次から次へと新たな関係が明らかになる旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題で、「10月を乗り切れるのか」(自民党菅グループ中堅議員)と危惧される状況下にある。  

 

おまけに10月は、食料品や生活必需品など約6500品目で値上げが想定されている。これに、1ドル=150円近くまで下落するとの予測もある円安、OPECプラス(石油輸出国機構加盟国とロシアなど産油国の枠組み)で合意された原油の減産が追い討ちをかける。  

 

新型コロナウイルスこそ、新規感染者の数が頭打ち傾向にあるが、10月から水際対策を大幅に緩和し、入国の上限撤廃を撤廃したり、個人旅行を解禁したりすれば、第8波を招く可能性も否定できない。  

 

そうした中、国会では臨時国会が始まり、岸田首相は、野党からの厳しい追及に防戦一方となることを余儀なくされる。  

 

そこで説得力のある答弁ができなければ、NHKや全国紙などが毎月中旬に公表する世論調査では、内閣支持率が、9月の毎日新聞調査(9月17日、18日実施で内閣支持率29%)と同程度の水準にまで下落することも予想される。

 

そうなれば、危険水域だ。

内閣支持率が上昇する材料はゼロ

 問題なのは、この先、岸田内閣への支持率が上昇する材料が見当たらないことだ。  

 

岸田首相は、国連総会での一般演説で、ウクライナ問題をめぐって国連改革を強く訴え、ロシアを名指しで批判してみせた。また、英国のトラス首相と会談するなど、外交日程も予定どおりこなしているが、支持率を回復させるような材料にはならない。  

それ以上の課題が山積しているからである。改めて整理しておこう。

 

 ■国葬に伴う弔問外交は極めて短時間  ・9月27日に開催される安倍元首相の国葬。国葬にした根拠、約16億6000万円もかかる費用の問題に、二階俊博元幹事長の「国葬やらなかったらバカ」「黙って手を合わせて見送れ」発言が火に油を注ぎ、東京では当日まで大規模な抗議集会が続く。  

 

・安倍元首相の業績に懐疑的な村上誠一郎元行革相が欠席を決め、「国民の半数以上が反対している国葬を強行したら国民の分断を助長する」と述べたことは、自民党内にも波紋を拡げている。  

 

・海外からは、アメリカのハリス副大統領、カナダのトルドー首相、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相、それに韓国の韓悳洙首相など現職の首脳級700人が来日する予定で、岸田首相は50か国の首脳級とそれぞれ短時間でマラソン会談を実施する。ただ、1か国当たり10分~15分程度の会談で、成果が上がるかは微妙。第一、巨額の国費投入への批判は、弔問外交の成否に関わらず当面続く。 

 

■旧統一教会問題での相次ぐ“報告漏れ“  

 

・自民党が9月8日に発表した党所属国会議員の調査結果で氏名が公表されなかった木原誠二官房副長官らの関わりが新たに浮上。山際大志郎経済再生相も旧統一教会のイベントに出席していたことを認めた。  

 

・相次ぐ“報告漏れ“には、筆者も含め、国民の不信感が募る。茂木敏充幹事長が再度、調査結果を公表したとしても焼け石に水。 

 

■物価高対策は付け焼刃  

 

・政府は低所得者層への5万円給付を決定。しかし、対象となるのは住民税非課税世帯の約1600万世帯のみで全体の3割程度。値上げが相次ぐ10月に大胆な対策が打てるのか疑問。 

 

■観光支援策は両刃の剣  

 

・円安のメリットとなる部分を活かし、海外旅行客の増大を図ったり、「全国旅行支援」を実施すれば、観光業にはのプラスになるが、新型コロナウイルスの感染拡大を招く恐れも。

 

また「全国旅行支援」は、都道府県判断のため、コロナ患者の全数把握同様、混乱する可能性もある。 

 

■衆議院選挙区の「10増10減」で与党内は泥仕合  

 

・140選挙区で区割りが見直しになる。

 

自民党は、選挙区が大幅に増える東京や神奈川などでは新たな支部長を決め、

 

「この区は自民、ここは公明」と割り振る必要性が生じる。

 

区割り変更は議員にとって政治生命に直結するため、大もめになる。

 

言葉は悪いが、泥棒に刑法をいじらせるようなもの。

 

合意形成には骨が折れる。  

 

・とはいえ、これらを解決しなければ、岸田首相は解散もできない。

 

調整に失敗すれば、その不満や怒りは総裁の岸田首相や茂木幹事長に向けられる。

思い起こされる「青木率」

 こうした中、思い起こされるのが「青木率」だ。

 

「青木率」とは、かつて「参議院のドン」と呼ばれた元自民党参議院議員会長、青木幹雄氏が唱えた方程式で、

 

「内閣支持率と政党支持率の合計が60%を切ると黄信号が灯り、50%を切ると政権運営がおぼつかなくなる」

 

というものだ。  

 

その点からすれば、岸田内閣の場合、どの世論調査を見ても、

 

「内閣支持率+自民党政党支持率=70%以上」という状況であるため、行き詰まるまでには至っていない。  

 

ただ、筆者は別の見方をしている。  

 

「内閣支持率+自民党内での岸田首相支持率<50%」になれば、

 

岸田首相は極めて厳しい状態に追い込まれると見ている。  

 

それは、岸田首相の党内基盤がぜい弱だからである。  

 

総理・総裁派閥の岸田派は、衆参合わせて43人の党内第4派閥だ。

 

安倍派(97人)、茂木派(54人)、麻生派(51人)には数の上で及ばず、

 

自民党所属国会議員(衆参議長含め381人)の中で言えば、その割合は11%にすぎない。  

 

つまり、他派閥から見放され、岸田交代論が強まれば、急降下している内閣支持率との足し算で、

 

比較的早い時期に50%を切る可能性があるということだ。

何しても首筋寒し秋の風

 「このまま行けば、来年春の統一地方選挙はボロ負けになる。

 

そうなると我々は、地元で市議会議員や県議会議員を失うので次の国政選挙への打撃も大きい。

 

来年5月の広島サミットで花道を…では間に合わない」(自民党安倍派若手議員)  

 

「岸田さんは『聞く力』を、国民ではなく安倍派に向けて発揮してしまった。

 

安倍派に配慮して国葬実施に走り、旧統一教会問題に関しても、

 

安倍派の重鎮、細田博之氏を衆議院議長だからという理由で調査対象にしなかった。

 

この先、東京五輪汚職事件で、事実上、

 

安倍派をとりまとめてきた森さん(森喜朗大会組織委員会元会長)にまで捜査の手が及べばアウトだ」

 

(前出の自民党菅グループ中堅議員)  

 

自民党内からはこのような声が聞こえてくる。

 

「物言えば唇寒し秋の風」(松尾芭蕉の句)などと言われるが、岸田首相にとっては、「何しても首筋寒し秋の風」といったところだろうか。

 

清水 克彦(政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師)

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私のコメント :  令和4年9月23日、今のまま行けば、来年春の統一地方選挙の結果に関しても、自民党は 負けになる可能性が高い。各地元での統一地方選挙における その知事選挙の結果 等 も受けて、その市議会議員や県議会議員の議席を失うので次の国政選挙への打撃も大きいものとなると予想さける。