国葬の2週間後に山口県で開催される「県民葬」 昭恵夫人は「ありがたい」、予算はいくらか?
8/30(火) 11:14 デイリー新潮 配信より
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デイリー新潮
8月3日、村岡嗣政・山口県知事と面会するため山口県庁を訪れた昭恵夫人
「弔意を強制するな」「法的根拠のない税金投入だ」。1カ月後に迫る安倍晋三元首相の国葬に反対する声は日増しに大きくなるばかりだ。だが、税金が投入される安倍氏の葬儀は国葬だけではない。山口県では10月15日に「県民葬」が開催される。こちらも国葬同様、反対派団体が県に申し入れするなど反発が強まっている。
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山口県では6例目
県民葬は自治体トップの判断で開催できる。首相経験者や知事などを長く経験した大物政治家が死去すると各自治体で営まれてきた。
最近だと、群馬県で20年に中曽根康弘元首相(高崎市との合同開催)、11年に小寺弘之元県知事、沖縄県では17年に翁長雄志前知事、18年に大田昌秀元知事が死去した時に開催している。首相経験者で開催されなかったのは00年の竹下登元首相の時くらいで、理由は遺族が希望しなかったからである。
大物政治家を多数輩出してきた山口県で安倍氏は6例目。下記はこれまでの政治家と当時かかった費用をまとめたものだ。
・1998年5月 田中龍夫・元文部大臣 約2600万円
・1991年6月 安倍晋太郎・元外務大臣 約3100万円
・1987年9月 岸信介・元首相 約2300万円
・1976年年9月 橋本正之・元知事(金額は記録なし)
・1975年6月 佐藤栄作・元首相(同)
昭恵夫人も了承していた
村岡嗣政(つぐまさ)・山口県知事が「県民葬」開催の意向を示したのは、岸田首相が国葬開催を発表した2日後の7月16日のことだった。
「8月初めに昭恵夫人が事件後に初めて山口入りした際に、知事は夫人の意向を面会して確認。その際、夫人から『大変ありがたいことです』と了承を得られたため、10月15日に下関のコンベンションセンター『海峡メッセ下関』で開催することが数日後に正式発表されました」(地元記者)
一部ニュースサイトでは昭恵夫人が国葬に反対していると伝えているが、少なくとも県民葬に関しては同意していたのである。
では、どのくらいの規模・予算となるのか。担当する山口県総務部人事課に聞くと、
「いままさにそれを算出しているところでして、9月議会に提出して正式に決定する予定です。県では24年ぶりの開催となりますので、2年前に群馬県で行った中曽根元首相の葬儀を参考にさせていただきながら調整しているところです」(担当者)
コロナ禍真っ只中に開催された中曽根元首相のケースでは、参列者は招待客のみの約2400人で予算は約4200万円だった。おおよそこのくらいの出費が想定されているのだ。
「顕彰制度と同じだと思っていただければ…」
やはり国葬同様に反対意見も出ているという。「共産党など反対派団体による申し入れが数件、電話による抗議も来ている」(県の担当者)。理由で最も多いのは、「評価が分かれている政治家なのになぜ税金を使うのか」(同)という意見だという。
開催は議会にはからずにトップの意向で決められるというが、法的根拠はどうなっているのだろうか。担当者はこう答える。
「はっきりと法的根拠があるわけではありません。ただ、逆に出来ないと定められているわけでもない。各自治体が広く行っている功労者を顕彰する制度と同じだと思っていただけるとわかりやすいかもしれません」
反対派は法廷闘争も検討中
8月28日には、「安倍元首相の国葬・県民葬に異議あり! 山口県民の会」主催によるオンライン講演会も開催された。参加した前参議院議員でジャーナリストの有田芳生氏によれば、「地元弁護士やキリスト教関係者が、『思想信条の自由を侵すものである』などと猛反発していて、裁判も含めて検討している」とのことだ。
有田氏自身も反対の立場である。
「佐藤栄作さんの時に国葬ではなく国民葬にしたのも、法的根拠がないことが理由でした。ノーベル平和賞を受賞した元首相ですらそうだったのに、なぜ安倍さんが国葬・県民葬なのか。安倍さんは拉致問題でも成果は出せなかったし、国会で100回以上も虚偽答弁したことも衆議院の調査ではっきりしている。安倍さんの時代に作られた安保法制や特定秘密保護法に対して評価しない声がある。世論を二分してしまった総理だったことを考えると、国葬や県民葬を開くべきではないと思います」
山口県で4000万円と聞くとつい阿武町の誤振込騒動を想起してしまうが、問題は金額だけではない。国葬にばかり目が行きがちだが、県民葬についても「地元だから」「慣習だから」だけで行われて良いものなのか、もっと広く議論すべきであろう。
デイリー新潮編集部
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最終更新:8/30(火) 11:14 デイリー新潮 配信より