「第一声」から浮かぶ党の戦略・事情…夏の参院選での場所選びにも注目
「第一声」から浮かぶ党の戦略・事情…夏の参院選での場所選びにも注目 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
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各党党首が公示日に最初に行う演説は「第一声」と呼ばれています。争点や公約をアピールするうえで、最も重要な演説と言っても過言ではありません。
それだけに、訴えの中身はもちろんですが、どこで行うかにも重要な意味が込められています。
最近の国政選を振り返ると、各党の戦略が見えてきます。
自民は被災地重視

自民党は2011年の東日本大震災以降、衆院選も含めた国政選挙で一貫して第一声の場所に被災地を選んでいます。
復興や被災地に寄り添う姿勢を示す狙いがあります。
被災地での第一声は、2012年衆院選で安倍晋三総裁(当時)が福島市で行ったことに始まります。2016年参院選では、震災直後の熊本市で行いました。ちなみに、この時も安倍氏は第一声の演説を終えると、福島県に大移動して遊説を続けました。
前回参院選(2019年)では、安倍氏は原発事故の風評被害に悩む果樹園で演説しました。岸田首相(自民党総裁)は首相就任後、初めての国政選挙となった昨年の衆院選で、やはり福島市で第一声を上げました。
一方、公明党は大都市圏の重点区に代表が入ります。2016年参院選では3人区の埼玉県で、2019年参院選では同じく3人区の兵庫県で第一声の演説を行いました。いずれも同党にとって重要な選挙区で、選挙の結果、同党公認候補が当選しました。
人情、党の事情も見え隠れ
場所選びに、党首個人の思いがにじむこともあります。2021年衆院選で立憲民主党の枝野代表が選んだ場所は島根県松江市でした。同市を含む島根1区から立候補したのは亀井亜紀子氏。亀井氏は、2017年衆院選に先立つ野党再編で希望の党から出馬せず、枝野氏が立ち上げた旧立民の公認候補として出馬した、いわば党の創設メンバーです。枝野氏は演説の中で亀井氏を「ともに戦ってきた仲間だ」と強調するなど、党首個人の人情が場所選びに表れた例と言えます。
島根は自民の牙城で保守王国とも呼ばれる土地柄。相手は、細田博之・元官房長官だったこともあり、自民党の大物に打撃を与えたいという思惑もあったのでしょう。
国民民主党の玉木代表が2019年参院選で選んだのは静岡県掛川市でした。静岡選挙区は、同党の数少ない現職が立候補した選挙区です。ただでさえ小所帯の同党は、新人候補の応援に入るよりも、現職の議席死守への姿勢を玉木氏が強く打ち出したと言えます。
定位置で
日本維新の会は創業の地でもある大阪市で、共産党と社民党は東京・新宿で行うことが定例化しています。2021年衆院選で「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(現NHK党)の立花党首が東京・渋谷のNHK放送センター前を選んだのは当然と言えるかもしれません。(デジタル編集部・森山雄太)
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韓国の機密が台湾に盗まれた!? 最新鋭3000トン級潜水艦で騒動
韓国の機密が台湾に盗まれた!? 最新鋭3000トン級潜水艦で騒動(コリアワールドタイムズ) - goo ニュース
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張保皐級潜水艦・李阡 出典 Craig P. Strawser, U.S. Navy [Public domain], via Wikimedia Commons
「核心技術が台湾に流出」と韓国メディア報じる
「韓国海軍が最新鋭潜水艦に採用している核心技術が台湾に流出した」と、6月6日から7日にかけて韓国メディアが一斉に報じている。
韓国警察は、今年3月に事件にかかわったとされる造船関連メーカー3社と関係者3人を検察に送致した。
容疑者らは1500億ウォン(約159億円)の報酬を約束され、台湾企業の潜水艦建造プロジェクトに参加。
20人以上の技術者を台湾へ派遣し、潜水艦に関する図面の一部を無許可で国外に持ち出していたという。
これがSNSでも話題となって「韓国には産業スパイが多すぎる」と、怒りの書き込みが殺到。
また、「独自建造できる技術がないのか?」といった台湾への嘲笑も目についた。
確かに台湾には潜水艦建造の経験がなく、技術を欲しているというのは間違いない。
が、韓国の潜水艦技術は…「スパイを使ってまで求める価値があるのか?」それについては少し疑問だ。
果たして盗む価値のある技術か?
韓国はドイツ製潜水艦を輸入し、やがてライセンス生産を行うようになる。
しかし、建造技術の未熟さから近年でもトラブルが頻発。自国では解決できず、修理や改良をドイツ側に委ねることが多かった。これではとても潜水艦技術の「先進国」と呼ぶことはできない。
台湾に技術が流出したのは、韓国海軍の最新鋭潜水艦「張保皐3級」の核心技術だとされている。
韓国が初めて独自設計したと主張する3000トン級の大型艦だが、こちらも実際は、ドイツが韓国の次期潜水艦として提案したDSX-3000の設計をほぼ踏襲したものだという。
どこの国でも輸出兵器に自国の最新技術を採用することはしない。
ドイツでも韓国に供与する潜水艦技術については、同様の判断をしている。その技術的価値については、察することができるだろう。
また、台湾が建造するのは2000トン級の潜水艦であり、3000トン級の張保皐3級とではサイズがかなり違う。装備品や設計図を入手したとしても、変更点が多く手間かかるだろう。
台湾は米英の技術供与で潜水艦を建造
台湾では80年代にオランダから購入した2000トン級潜水艦が老朽化し、2017年に新型潜水艦建造プロジェクトをスタートさせている。
このプロジェクトには、潜水艦建造で実績のある欧米諸国が協力を約束。
米国は戦闘システムやソナーなどの核心技術を。また、英国も潜水艦部品やソフトウェアなどを提供する。
先進諸国からの技術供与があれば、なおさら韓国の技術を盗む必要はない。
台湾側でも韓国の報道を否定している。
韓国側は、潜水艦の油水分離装置やバッテリー固定装置などの潜水艦技術を盗まれたと主張するが、台湾ではこれを海洋プラントに必要な風力発電部品に採用したものだという。
また、技術資料の提供を受けたことはなく、韓国企業に依頼したのは主にコンサルティング業務という。
容疑者たちは警察の取り調べに対して、
「違法になるとは思わなかった」
と、自供したとか。潜水艦建造に精通した者たちには、さほど重要な核心技術と思えなかったのかもしれない。
一説によれば、「台湾の事業に携わる韓国人が、以前勤務していた韓国企業の経営者とトラブルを抱えており、経営者側が退職者をおとしめるために情報を捏造(ねつぞう)してリークしたのではないか?」と、そんなうわさ話も流布しているという…。
この話のほうが信ぴょう性あるような。
青山 誠(あおやま まこと)
日本や近隣アジアの近代・現代史が得意分野。著書に『浪花千栄子』(角川文庫)、『太平洋戦争の収支決算報告』(彩図社)、『江戸三〇〇藩城下町をゆく』(双葉社新書)、近著『日韓併合の収支決算報告~〝投資と回収〟から見た「植民地・朝鮮」~』(彩図社、2021年)。「さんたつ by 散歩の達人」で連載中。
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