みなさま、ご無沙汰いたしました。4月24日の金曜日、たまたまの祝日でトレイルランニングに行っており...翌日、25日。ネパール大地震。いつもの通り(ネパール休日の)土曜日に仲間たちと走りに行っていたら。山中で地震に遭遇していたはずです。考えるだけで恐ろしい。その後の1ヶ月は、続く余震と仕多忙に押し流されました。

その後も、自宅から日常走っていたダートコースの村々が被災したこともあり、ランニングに出たいという気持が萎えておりました。この間、自宅近くに25メートルのプールを発見。早朝、にわかスイマーと化しておりました。そろそろランニング復活だ。と考えていたところ、都合良く8月1日にトレイルレースです。早速申し込んだ次第です。以下、かなり驚いた大会報告でございます。

ドゥリケル~ナガルコット・チャリティトレイルランニング&ハイク

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カトマンズ近郊のヒマラヤ展望2大リゾート地、ドゥリケルからナガルコットを結ぶ18kmと距離も手頃です。大会の情報伝達もフェイスブックが頻繁に更新されるし、ロゴもかわいいし。ナガルコットのホテル経営者の2世たちが企画した、普段トレイルランニングとは縁遠そうな様子でもありましたが
「18kmだから、ま、何とかなるだろう」
と、自分のトレーニング不足を棚に上げて余裕をかましていた次第。

カトマンズからのバスは朝6時半出発。時間厳守。遅刻者は知りません。とキッパリ書いていたにもかかわらず。早朝から雨の集合場所には大型バスが2台止まっているだけ。大会関係者はいない。30分遅れの7時出発。8時にドゥリケルについても、関係者おらず。そのうちIDカードをぶら下げた人が数人来るも
「わたしたち、なんにもしらないもんね~」
と、仲間内のセルフィーに夢中。30分ほど道路で待たされたあげく近くのホテルに誘導されるもまた放置。企画者がまだ来ていませんとのこと。待ちくたびれた頃受け付け開始。300人ほどの参加者で、仕切りもへたくそで大混乱。注目すべきは、ゼッケン止めるための安全ピンを用意することを主催者が忘れていたこと。すごい。初めての経験だ!私は普段から持っているから大丈夫だったが、ほとんど全ての参加者はポケットにゼッケン入れるという。何のためのゼッケンなのか?


そして、雨。天気は主催者の責任じゃないけれど。雨期真っ最中で大雨でも文句言えない会場に「雨用心」が為されていなかったことは、スーパーおマヌケじゃないの?それ以前に、300人も集めておいて主催者が遅刻すんなよな。

予定より1時間半遅れで、雨のスタート。コースは泥んこぐちゃぐちゃ。ま、これは想定内。雨期のレースに参加した以上、大人のドロ遊びを楽しむのは前提。コースの1/3くらいは赤土で、滑る滑る。これまた文句言う筋はない。

が、しかし、トレイルが枝分かれするところにマーキングがないのはどーゆーこと?レース終盤後ろから、すごい勢いで走ってくるエリートランナーたち。「大きくコースアウトしたぁ」とのこと。そんな人が続く続く。

すごいのは、ゴール地点が直前に変更されてはっきりとアナウンスされていなかったこと。出会ったチャリダーの皆さんから「あっちに大きなテント張ってあったよ」と聞き出しゴール。距離はアナウンスよりかなり短い14.66km。2時間56分。


あれ?当然先行しているはずの俊足組が誰も来ていない。途中で私を追い抜いていた先ほどのエリートたちもいない。?????


事前アナウンスされたコース(赤)に、自分の走行ログを重ねてみた。ゴール地点は主催者決定により場所変更+短縮されていた。


私自身は大きくコースアウトすることはなかったのだが(事前に地図情報を確認して、いつもの通りマイマップを作っていたから)、結局14.5kmほどのコースで、10km以上も余分に走って来た俊足組が遅れてやって来た。

「マーキングが故意に間違っていた。アウトコースに誘導された」
と云うのが、彼らの共通見解。主催者曰く
「誰かがマーキングを動かした」

なら、私も迷う筈。一定の時間に限って、エリートたちだけを迷わせる行為が行われていたのだろうか?普段私はルートファインディング良くない。いつも的確にコースを見つけるエリートたちに限っての大量、長距離コースアウトが続出したのはとても不思議だ。

事前のアナウンスでは2ヶ所あるはずの給水はゼロ。これは非難されるべき。ずっと雨が降って涼しかった(終盤は寒かった)ためスタート地点で配られた1リットルの水で事足りたが、雨期の晴れ間の酷暑であったとしたら...ルート上に水が得られる場所はなく、ごめんなさいでは済まない事態もあり得た。

ゴール地点は激しい雨と風と霧の中、吹きさらしのテント。寒い。しかも温かなお茶もなく。約束された昼食も、野菜を切っている段階。これでは風邪をひく。と、自家用車で来た友人に無理を云って(定員オーバー)で便乗させてもらって家に帰った。

主催者の言い分は
誰かが故意にマーキングを動かした。
ボランティアを配備していたが、仕事をしていなかった。
とのことだが、朝から受付に1時間も遅刻してくる御仁であるからね。フェイスブックで「10kmも余分に走らされた」というクレームに「沢山脂肪が燃やせて良かったですね」との返事。やれやれである。

ネパールの観光業界(ナガルコットのホテル経営者のボンボンと限定すべきか?)、この程度。これではネパールに観光客は戻らない。私だって、行っちゃうもんね。ネパールじゃなくてタイに。

普段カトマンズでレースを主催するTrail running Nepalのリチャードも一参加者として来ていて、途中迷ったらしく遅れてゴールしていた。いつものトレラン仲間たちから

「やはりリチャードのレースじゃないと信用できない!」
と云われて、にやにやしていたリチャード閣下であるが....彼のレースだって、昔はひどかった。ということは、この際忘れましょうね。少なくともリチャードは、何かが起こったらレスキューにいけるだけの心構えはあった。今回は安全対策ゼロ。

ま、距離が短かったから、重大な事故はなかった(と思う)。久しぶりに、トンでもないレースだった。

自分の半生としては、スイミングのおかげで心肺機能はそれ程辛くなかったが、やはり「走る脚」「登る脚」が全く不充分。今月からは心を入れ替えて走らなければ。10月のアンナプルナに間に合わない。と、強く感じた次第。

帰宅しての衣類とシューズの洗濯。ドロが出るわ出るわで大変だった。翌日軽く筋肉痛。早朝プールでアイシング。ロードも走らなきゃね。