7政党の抗議デモ、もうすぐ10日目になろうとしているが、止まる気配はない。ニューロードとその周辺は連日午後3時頃から、デモ隊と機動隊、警棒振り回しとレンガの投げ合い、催涙弾と放水のマンダラとなっている。
 
一昨日は市内タハチャルにあるキャンパスにおいて、命知らずの学生が「国軍のトラック」にも投石し、軍側は空に向けて発砲して、学生からの攻撃を切り抜けたとか。いやはや、命知らずである。警察機動隊は殺す意志も装備もないけれど、軍は「必要とあらばヤル」んだよぉ~っ。
 
今日のデモでは、警察機動隊の後ろに「武装警察」が控えて警備していたらしい。この武装警察というのは、マオ派対策のため作られた、国軍並みの装備を持つ(という触れ込みの)警察組織。
 
それにしても、治安維持側は、デモ隊を「殺す」わけにはいかない。もし死者が出たら、それこそ政党側の思う壺。「現体制は人殺し!」と、大義名分を与えてしまう。
 
しかし、である。政党側は「反対、反対、わっしょいわっしょい」とデモを繰り出すだけで、この国の未来に対する「具体的ビジョン」や「マニフェスト」を国民に示せずにいる。ネット上で、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!と祭りを繰り広げる、2ちゃんネラーよりタチ悪し。
 
独裁的な国王は困るという点では、都市部国民の大多数の共感を得られると思う。しかし、では、誰が国政を担当すべきか?という問題において、政党側がより魅力的になる必要があるだろう。具体的な政策を示し、国民に希望を与えることが出来る存在が必要なのだ。
 
軍事力を掌握する国王に、「うん」と云わせるのは簡単ではない。民主化後、正義なき汚職政治にうんざりしきった市民を「立ち上がらせる」のも難しい。「デモ暮らしぃ」だけでは、無理だよ。
 
ああ、歯痒い!