日銀の楽観的なシナリオ
日銀は7日の金融政策決定会合で、東日本大震災の被災地の
金融機関向けに新たな貸出制度を導入すると決めました。
これは、今後、復旧・復興の資金需要が高まるのに備え被災地の
金融機関に安心感を与える意味合いが大きいようです。
対象は被災地に営業店を持つ金融機関、貸付総額は1兆円で金利は
0.1%、期間は1年。
対象となる金融機関は200近くに達します。
1995年の阪神大震災後につくった同様の復興支援貸出制度では
5000億円の貸付総額に対し、利用額は2715億円と融資先の
貸し倒れリスクが高いため、実際には思ったほど利用はされない
ようです。
また、日銀は4月末に公表する「経済・物価情勢の展望
(展望リポート)」で、2011年度後半には景気が持ち直すという
新たな見通しを示す検討に入りました。
11年度前半は成長率が大きく下がるものの、年度後半から再び
緩やかな成長経路に戻るとの見方です。
かなり楽観的なシナリオといったイメージです。
もちろん、大きな震災のがあっても、プラス成長になれば、それは
喜ばしいことだとは思いますが、そう簡単にはいかないような
気がします。
日銀の発表では、部品供給の寸断や電力不足などで生産活動は
停滞しているが、これらの制約が解消に向かえば、輸出の増加や
復興需要で景気は回復に向かうとみているようです。
しかし、福島の原発は今後使われることはなく、原発の稼働低下
による電力の低下はそう簡単には解消しません。
火力発電の多用を考えているようですがただでさえ、火力は原子力と
比べると発電コストが高いのですが、世界的に原油や天然ガスの
価格が上がっており、電力コストの増加に拍車をかけそうです。
輸出に関して放射能汚染についての風評被害が、想像以上に
沸き起こっており、日本製品が全く売れなかったり、海外の
日本食レストランも人がまったく入らない状態になっています。
不確定な部分があまりにも多い中、日銀の発表は楽観的過ぎる
気がします。
相場に挑むときは、日銀見通しが上下両方向に振れる可能性が
高いことをイメージしながら挑むことが大切です。