開店したばかりのバーが好きだ | 武蔵小山で暮らす

開店したばかりのバーが好きだ

『ロング・グッドバイ』(原題:The Long Goodbye)レイモンド・チャンドラー(Raymond Chandler)著/村上春樹訳に出てくる台詞。


テリー・レノックスがフィリップ・マーロウにバーで語る。


「夕方、開店したばかりのバーが好きだ。店の中の空気もまだ涼しくてきれいで、すべてが輝いている。バーテンダーは鏡の前に立ち、最後の身繕いをしている。ネクタイが曲がっていないか、髪に乱れがないか。バーの背に並んでいる清潔な酒瓶や、まぶしく光るグラスや、そこにある心づもりのようなものが僕は好きだ。」


フィリップ・マーロウがその意見に賛意を示し、テリーはこう続ける。


「アルコールは恋に似ている。」


「最初のキスは魔法のようだ。二度目で心を通わせる。そして三度目は決まりごとになる。あとはただ相手の服を脱がせるだけだ」


その日の最初の一杯というのは、何にしようかすごく迷って選び、飲むと一日の疲れが癒されるような心地になる。二杯目は酒の味わいをじっくり楽しむことができる。けれでもその後は、徐々に気分も良くなり酔いに任せて杯を重ねていくだけ、、、酒飲みであれば「わかるわかる」と思わず言ってしまいそうな喩だと思う。


結婚している男がこんなことを話していたら夫婦関係がちょっと心配ですが、思わず本音を吐くことができるのもバーのいいところ。


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