株に関わっている方で、興味の有る無しは別にして、株主優待を知らない方はいないと思います。

 

株主優待は、おまけ的な意味合いだとは思いますが、ほんとにバカにはできない制度です。

有名な桐谷さんでは無いですが、それこそ株主優待だけで生活の大部分をまかなうことも不可能ではありません。生ビールおにぎり車

まずは株主優待の権利の取り方について書いてみます。

 

ちなみに、ご存じだとは思いますが、株主優待をもらうためには、権利付き最終日(決算月の最終営業日の3営業日前)の取引が終了した時点で現物の株を持っている必要があります。

信用買いでは、現引きをして現物を引き取らないと株主優待はもらえません。

 

 

その1【継続保有】

 
王道の株主優待の権利の取り方です。ずっと持っている株が権利日をまたぎ、配当と一緒に権利をもらいます。
持っているだけなので、特にテクニックも何もありません。
 
その2【裸(買い)】
 
裸買いは株主優待の権利日の直前に現物株式を購入して権利付き最終日を経過し、株主優待の権利を取ったあと(権利落ち)のタイミングで売却するやり方です。①と②を比較し、①>②なら成功、①<②なら失敗です。
 
①株主優待の価値+配当金(株主優待と配当金は同じタイミングで権利を得ることがほとんどです。)
②株価の値下がり+手数料
 
この方法は後述のクロス取引と比べて値下がりの手当てをしないため、「裸」と呼ばれたりします。
株主優待がある銘柄はそうではない銘柄に比べて、権利落ち後の値下がりは大きいですが、
感覚的に70~80%ぐらいの確率で、裸でも利益が出るような気がします。
特に最近は、権利落ちしても値下がりするどころが値上がりするケースも多いです。
 

その3【制度信用クロス】

 
優待株の現物買いと同じタイミングで、同じ株数を制度信用で売り建てをする方法です。
これによって、価格が上がっても下がっても利益も損失も出ない状況になるので、権利落ちでの値下がりをカバーできます。
ただ、この方法の最大の問題は「逆日歩(ぎゃくひぶ)」です。
 

逆日歩は、信用売りが信用買いを超過した場合に発生する可能性がある追加の貸株料です。

逆日歩が発生した場合、制度信用の売りをした人の全員が払い、同じ銘柄を制度信用買いをしている人と、超過分の株を貸した人がもらえます。

超過分の株を貸すのは大抵は機関投資家なので、個人投資家がもらえるのは制度信用買いをしている場合です。

 

逆日歩の最高値は株価と単元株数によってきまっていますが、実際にいくらになるかは事後にしか分かりません。

多くの場合は0か少額で済みますが、最高値になってしまうと、もらえる優待の価値の何倍、下手したら何十倍もの逆日歩が発生し、伝説となります。(笑)

過去には3000円のそうめんセットをもらうためのクロス取引の逆日歩が90,000円発生し、超高級そうめんに化けたりしたこともあったらしいです。チーン

私は吉野家の3,000円の食事券で6,000円取られたぐらいで、とんでもない逆日歩を食らったことはありませんえー

逆日歩が発生するかどうかは事前には分かりませんが、ある程度の傾向があります。逆日歩が発生しやすい条件は以下のとおりです。

 

①発行済み株式数が少ない。

②金券や食事券など現金の代わりに使ったり、オークションで販売できる優待。

③直前数回の優待権利日で、思ったほどの逆日歩が付いていない。

 

逆日歩ギャンブルの常連としてコロワイドという銘柄がありますが、最近は以前ほど高額逆日歩がつくこが少なくなっているようです。

ANAやJALなどは、増資や株式分割で発行済み株式数が多くなった影響か、制度クロスでもほとんど逆日歩が付かなくなりました。その分、供給過多でオークションでの売値も暴落しましたが。プンプン

 

制度信用クロスは、銘柄によってはかなりギャンブルですが、たまに高額逆日歩を食らう覚悟でやり続けると、

かなりの確率でトータルではプラスになると思います。(ただ、心臓に悪いです。)

 

 

その4【一般信用クロス】

 
優待株の現物買いと同じタイミングで、同じ株数を一般信用で売り建てをする方法です。
この方法の最大のメリットは、権利落ちの値下がりを回避でき、かつ制度信用のような逆日歩がかかならいことです。
この取引が成立した時点で、ほぼ利益は確定です。
 
最大の問題は、一般信用売りを扱っている証券会社が限られている上、人気銘柄は競争が激しく、なかなか取引を成立させることができない点です。
あとは、制度信用に比べて貸株料が高く、クロスの状態で寝かしておかないといけない日数も長くなりがちで、
費用は制度信用よりも高くなりがちです。
 
一般信用売りを取り扱っている会社は、主にカブドットコム証券、楽天証券、SBI証券、松井証券です。
GMOクリック証券も扱いを開始しましたが、まだまだ規模が小さいです。
なかでもカブドットコム証券は一般信用クロスのためだけに存在しているのでは?と思ってしまいます。
カブドットコム証券は、3年間の長期で一般信用のクロスの状態を継続できます。(毎日貸株料ととられ続けますが)
人気銘柄の場合、カブドットコムは抽選、楽天とSBIは早い者勝ちです。松井はあまり人気銘柄は扱っていません。
 
人気銘柄であれば、何か月前からカブドットコムでクロス取引の状態を権利落ちまで継続させておいたり、
楽天やSBIで早いもの勝ち競争に勝ち抜く必要がありますが、早いもの勝ち競争は、ヨーイドンからおそらく0.1秒ぐらいで残高がな無くなりますショボーン
 
ちなみに私はカブドットコムで家族名義を含め、すかいらーくの4,000株をクロスさせたまま放置しており、
毎年10万円弱の費用を払いながら、27万8千円分の食事券をもらっています。
また、権利日の3か月前からコロワイドのクロスを行い、2万円の費用を払って8万円分の株主優待をもらっています。
 
株主優待の世界は意外と奥が深いので、また機会があれば、もっと詳しく書きたいと思います。