音楽業界には、意外にへんな商標&へんな商標トラブルが多いんです。中でもどうしても単行本に収録したかったんだけど断念したのが「クリスタルキング事件」。
「大都会」等で知られるクリスタルキング。その商標権は、低音パートのムッシュ吉崎(のプロダクション)が保有しているのです。
このムッシュ氏、かつての相方である高音パートの田中雅之が「クリスタルキング」を名乗ることを親の仇の如く憎悪しており、2009年にはこれが裁判に発展。
そこで繰り広げられたムッシュの執念たるや、10年以上も前の「ルックルックこんにちは」で田中が発したコメント一言にまで損害賠償を求めるという、もはや番町皿屋敷並みの怨念なのです。裁判全体がこんな感じの恨み節に満ち満ちており、面白いんだけど、とても1ページに収まらず、ボツに。ムッシュもそこまでやるか、と問いたいですね。
代わりに単行本で「似た事案」として取り上げたのが、バンド名の商標登録を巡ってメンバー同士がデッドヒートを繰り広げた「HOUND DOG事件」だったのです(これはよかったら本書で読んでみてくださいね)。
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音楽界の中でも、なぜかロックの分野では商標トラブルが絶えません。
他にも、ビジュアル系シンガーのAcid Black Cherryが、ロックの大御所ローリング・ストーンズから「てめぇロゴがそっくりじゃねーか」とケンカを売られたがこれを打ち負かしたという「ベロマークを巡るロック下克上事変」、
ロックバンドのELLEGARDENがファッション雑誌のELLEから、「紛らわしい」(個人的には「どこが!?」である)と訴えられた裁判、
最近では、活動再開したLUNA SEAが、先に商標登録されてしまっていた商標「LUNASEA」に対して取消を求めた審判が提起されたばかりです。
Acid、ELLE、LUNA SEAいずれも、それなりに興味深い事案ですが、ファン以外に当事者の真剣さと滑稽さが伝わるか分からず、本には取り上げませんでしたね。どこかで機会があれば、また披露したいなと思います。
似てますかね…?
(左)Acid Black Cherryのロゴ
/(右)ローリング・ストーンズのベロマーク
へんな商標?
友利昴 和田ラヂヲ 発明協会 2010-11-19 本書はこちら。 |