映画で学ぶTOEIC2 | TRAアカデミーのブログ

映画で学ぶTOEIC2

こんにちは。TRAアカデミー講師の中山宥です。


前回に引き続き、アル・ゴアさんを主人公に据えたドキュメンタリー映画『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』から、TOEICにも役立つ英語表現を拾ってみましょう。


ゴアさんの一家は、タバコの葉を生産する大きな農場を持っていたそうです。少年時代のゴアさんは、夏休み、広い畑で仕事の手伝いをするのが楽しかった。おまけに、ひと回り近く年上(almost 10 years older)のきれいなお姉さんがいて、とても可愛がってくれたんだとか。
さてそのお姉さん、ティーンエイジャーの頃から煙草を吸い始めた。タバコの葉に囲まれて育ったんですから、まあ仕方ないかもしれません。しかし、そのあとどうなったか。若くして、肺癌(lung cancer)で亡くなったんです。

AL GORE : It's just human nature to take time to connect the dots. I know that.
But I also know that there can be a day of reckoning when you wish you had connected the dots more quickly.

文の構造、つかめましたか?
冒頭の It は to take time ... 以下を指しています。仮に It を主語に立てておいて、その中身はあとでゆっくり説明しているわけですね。
2文目の when は、直前の a day of reckoning を後ろから修飾。
最後の you wish you had connected ... は、ちょっと難しめですが、仮定法というやつです。

日本語に訳すと、「点と点を結びつけるのに時間がかかることは、単純に言って、人間の性(さが)。それは分かっています。けれど、“もっと早く結びつけておけばよかった”と考える日があるかもしれない、ということも分かっているのです」
「知識を持っている」ことと「知識にもとづいて行動する」ことの間には、大きな隔たりがある。個々の知識は小さな点(dot)にすぎず、点同士を自分の頭で結びつけたとき、初めて知識が力に変わるんですね。
この悲しいエピソードを通じて、ゴアさんは訴えます。「地球が温暖化しているのは、みなさんご存知でしょう。でも、その知識を行動に変えていますか?」と。

では締めくくりに、以上を踏まえ、TOEIC Part 5形式の問題に挑戦してみてください。

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Horses were used in farming and forestry until new technology made ------- more profitable to use tractors.

(A) it
(B) this
(C) that
(D) what

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この問題、どうも半分くらいの人が(C) thatを選んでしまいます。
下線部に入る語がどこを指しているかきちんと考えると、文末の to use tractors だと気づくはず。
仮に it を置いて、あとで内容を説明するというパターンです。ゴアさんも使っていましたね。
ですから、答は(A)。
直訳:新技術により、トラクターを使ったほうが儲かるようになるまで、農業や林業では馬が使われた。

ところで、ゴアさんの忠告は、英語学習の面にも応用できそうですよ。
たとえば「あなたは、シャドウイングの練習がリスニング力アップに役立つのを知っているでしょう。しかし、その知識を行動に移していますか?」

授業中にこんな鋭い指摘をすると、教室が「しぃん」となりますね。「キツいこと言う先生だな」なんて睨まれちゃう。ですから、こうしてブログに書いておきました(笑)。


次回は、また違う面白い映画を取り上げたいと思います。

それでは!