2024 明治安田J1リーグ 第6節

 FC東京 vs 浦和レッドダイヤモンズ

  国立競技場(東京都新宿区)

        でのHome Game

 

その日は多摩川クラシコでの惨敗から中3日の水曜日。この試合次第でいよいよその進退にその未来にその運命に残酷な宣告が下されることになるピータークラモフスキー監督は心や気持ちを一身に定めその人生やキャリアを決めると表現しても決して大げさではない重大な決断をして今日のメンバーをスタメンとしてピッチに送り出した。それは平均年齢22歳の心を青赤に染めた11人のヤングガンたちだった。

 

まるで涙を思わせる様な憂鬱な雨の中でその45歳の豪州生まれの男の人生が決まる一戦が始まった。自分達の一つ一つのプレーが、彼らをはぐくみ養ってきたピーターの人生を決めることはもちろんヤングガンたちもそれを見守るベンチの歴戦の控え選手たちも知っていた。そしてその思いはもちろんプレーにも表れる。彼らは走る。とにかく走る。覚悟をもってプレーしパスを出しもちろん走る!そしてbeautiful極まりないパスワークからバモヤンがゴールを決めてピーターが断頭台に送られることを回避したかに思われた、、、、、、、が、VARの悪夢の宣告により、再び彼はそこにとどまることになる。そしてさらには赤き悪魔のチアゴサンタナの超ど級のスーパーゴールが炸裂して、いよいよあとはスイッチ一つで彼の命が終わる極限の瞬間が見えようとしていた。

 

ハーフタイムが終わる。いくばくかの美しい歌姫たちのショーの後で、いよいよ最後の45分+アディショナルタイムが始まった。ヤングガンたちの足は衰えない。そして彼らとピーターを救わんとする青赤の大群衆たちが懸命に燃え上がり声を上げ力を与え祈りをささげる。そしてその瞬間がおとずれる。左サイドを攻めあがったバングーナガンデ住史扶のパスを受けた荒木遼太郎が右足を小さく鋭く振りぬくとそれが浦和のゴールに突き刺さる!青赤は同点に追いつき、彼の命に小さな希望が見えてくる!

 

そして、若者たちはさらに走りを止めない。後半半ば、俵積田がドリブルで対面に立ちはだかった渡邊凌磨の牙城を破りラストパスのクロスを送るとそれを左に腕章をまく松木玖生がビューティフルボレーで叩き込む!そしてそれはピータークラモフスキーが監督として首都東京で生きてゆくことを神に許された瞬間でもあった。数十分後に彼が正式に断頭台から解放された勝利の凱歌の瞬間にはその指揮官ぶりを懐疑し嘆いていた人々も含めて国立競技場にいたすべての人がその生還劇に涙した。そこにいたあらゆる人々が一つになった。「東京は青赤だ!」彼がかつて残した名言は4月3日の夜に現実になった。

 

 ○トーキョー 2-1 浦和レッドダイヤモンズ

 

                          ともぞう

 

この試合の「日本代表に呼べ!」

FW71 荒木遼太郎(タロウ)

・本日1得点!高いテクニックと想像を絶する得点力に加えてこの日は走りに走った超絶アンビリーバボー。もう本当に毎試合点を獲っているスーパーマンである。この日のゴールも鮮烈だった!