再掲 北海道大地震 2018年9月6日 | LOVE & PEACE & HAPPINESS

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(現代)芸術家の日常

 夜中に具合が悪くて目覚める。下痢と若干の吐き気、

【2018年9月6日 1:35】

 

 

 地震。すぐこ~じ~さんからLINEあり。大丈夫と答える。後で気づいたのだが、右肩に内出血あり。

【2018年9月6日 3:08頃】

 

 

 ガスが使えるため、セブンイレブンで買ってきたご飯を温めている。お湯で15分。停電が復旧せず、刺身がダメになりそうなので、朝食は刺身。朝からいきなり贅沢だ。

 刺身を切ったが、洗い物が面倒。水道水が濁っているため、備蓄飲料水で洗ったがもったいない。食器にサランラップをかけて使うべきだな。箸は割りばしにするか。

【2018年9月6日 5:57】

 

 

 シャワーが普通に使えた。ドアに懐中電灯を挟んで固定した。最初に小便をしたが、母親には内緒。

【2018年9月6日 6:33】

 

 

 必要物品をリストアップした。

サランラップ 大

キッチンペーパー

割りばし

ご飯

乾電池 単一 単二 単三

ゴミ袋 10、20L

コンロ用ガス

そして、銀行で金をおろす。

 以上を確認して、地震から一睡もせず会社に向かった。

 

 8:30頃から会社にいたのだが、11:00頃にやっと自宅待機が決定。

 その後買い物するはずだったのだが、そもそも店が開いていない。開店しているコンビニの店内は大行列。棚は空っぽ。乾電池は手に入らず。

 金をおろすつもりが、北海道銀行本店が休業。コンビのATMは通電していない。他の銀行で窓口業務は行っていないのだがATMを一台のみ利用できるところを見つけた。

 両手にごっそり荷物を持って、マンションの11階までトボトボ歩く。怒りマックス一触即発。

【2018年9月6日 13:15】

 

 

 寝るには早いが何もできない。スマホにPCからUSB充電している。PCのバッテリーは57%。まだ停電は復旧していないので油断できない。このマンションの周囲は復旧したようで、明かりが点いている。

 懐中電灯で照らしながら、メモ帳にボールペンでこの駄文をしたためている。乾電池もいつ切れるかわからない。先程も一縷の望みを託し、街中で買い物をしようと出かけたが、そもそも店がほとんど休業。ススキノが真っ暗。狸小路も真っ暗。自転車で走っていると暗すぎて見えなくて人を轢きそうになる。12年札幌に住んでいるが、こんなことは初めてだ。





 朝、会社にも行ったが、薄暗かった。帰宅しても同様。トイレや風呂は懐中電灯の明かり一つだけ。明るさが無いと気分も明るくならない。そこで外出したくなる。ところが部屋は11階。降りる時はまだましだが、昇る時は筋肉より心臓にクる。他にも階段の途中でうんざりしている人をたくさん見かけた。厄介なことになったものだ。

 近所はどんどん復旧しているので、おそらくこのマンションももうすぐ復旧するだろう。明日は店舗もどんどん開店してもっと買い物ができるのではないか。東日本大震災のような、一週間も停電していることはないと思う。それを思うにつけ、あの震災はハンパねえヤツだったんだと認識を新たにする。

 こんな地震は大したことない。現時点ではそう思っている。だが、今日の地震が余震であって、二日程後にさらにデカいヤツが来るという説もある。その時も精神だけは負けないように持ち堪えたいと思うが、どうだろう。

 幸いにも母親は気丈で取り乱すこともなく、協力的なので大変助かる。

 

 午前3時頃に大きく揺れた。縦揺れの次に長い横揺れだったと思う。作品が入った段ボール箱やCDスタンドなどが降ってきた。寝ていた私の右肩に直撃して今も傷が残っている。

 それから部屋を出るまで少し手間取った。メガネを探していたのだが、なかなか見つからなかった。やっと見つかり、落下物をよけながら部屋を出ると母親はテレビで状況を確認していた。落ち着いていたようだ。すぐ停電になり、それからは私も居間で過ごした。

 外に出てみようという気になり、最寄りのセブンイレブンに行ってみた。階段を歩いて降りるのがけっこう大変だ。店内は暗かったのだが、水、パン、ご飯を買うことができた。

 辛かったのが、11階まで昇ること。こういう事態はいずれ来るかもしれないと東日本大震災の後ずっと考えていた。階段を昇降する練習もしたことがある。だが、さて本番となると、やはり辛い。しかも両手に重たい水などをどっさり抱えている。途中何度も休みながら帰宅した。

 これからどうするかいろいろと相談していた。母親は今日家にいてほしいと言ったが、私は会社に行くことに決めた。それから水が出るか、お湯はどうか、ガスは使えるかなどと確認した。問題は停電だけだ。

 冷蔵庫内がどうなるかわからない。そこで、朝から刺身ということになった。贅沢だ。そもそも毎朝、朝食は味噌汁と果物だけの私なのだが。

 シャワーが使えた。だがドライヤーが使えない。自然乾燥しかない。

 初めて会社に自転車で向かった。バスも地下鉄も運行していないのだから、他に方法がない。途中多くの信号が消えていて、しかも交通整理がいないことのほうが多い。車と人間がさぐりさぐり行き交うという状態だ。

 会社の近くまできて、まだ早かったので、ローソンのイートインでアイスコーヒーでも飲んで待とうと思ったのだが、そもそもローソンが休店。まだ開いていない会社の休憩室に行き、その前でゴロリと座って誰かが来るのを待つことにした。

 やっと来たのは後輩オペレーター君一名のみ。一緒に仕事を行う部屋に移動すると、いたのはトップと上司二名。それだけ。最後までこれだけ。出社か否かわからない場合、まずは出社する。それが基本だろう? この会社大丈夫か?

 それからラジオを聞いたりダラダラして、会社のノートPCからスマホに充電したりしていた。8:30頃に来たのに自宅待機が決定されたのは11時過ぎ。本当にこの会社大丈夫か?

 さて帰宅途中、母親と確認した各種買い物をゲットしようと考えたのだが、まず店が開いていない。腹も減ったので何か食いたいのだが、飲食店はすべて休業。もののみごとに一店も営業していない。途中、数店のコンビニが営業していたのでもちろん入った。暗い店内に客がずらーっと並んでいる。棚はほぼ空。いくつか選び、延々と並んで、支払いは現金のみ。レシートなし。

 さらにもう一軒コンビニはしご。両手にごっそり荷物を抱えて、また11階まで昇った。また何度も休み、また心臓が飛び出そうだった。

 帰宅してものすごく不機嫌な私に、母親は優しく昼食の支度をしてくれた。大変さもわかってくれた。ご飯は冷たかったが美味しかった。怒りがおさまった。

 食事や洗濯などをこれからどうするか、二人で綿密に作戦を練った。現状への不満は言っても始まらない。とにかくどう乗り越えるか、いろいろ考えた。

 悪くなるものから食べるということになり、晩飯はひき肉を使って餃子を作ることに決定。隣の奥さんにもあげようかと言う。どうぞどうぞ。一人暮らしで身寄りがないらしいのだ。母親が下ごしらえをして、私が焼いた。まずはお隣さんの分。母親がお隣にあげてきて、それから自分たちの分。「いい焼き加減だ」と言う。我ながら美味いと思った。同じように仕上がっているはずなので、お隣さんも喜んでくれていると思う。

 私が洗い物を片付けて、もう一度出かけた。やはり乾電池が切れるのが心配なのだ。11階の昇り降りはしかたない。日暮れの街の様子も見てみたい。すると真っ暗だった。

 

 酒を多めに飲んでいるのだが、眠くならない。かといって何もできない。困ったものだ。

【2018年9月6日 21:16】