14年前の新婚時

「嫁入り道具は女が用意するのが当然」

と言う母の考えに私は何も思わず

 

 

それどころか

母は仕事で忙しいのにわざわざ買物に

付き合ってくれて申し訳ないと罪悪感ばかり

感じていた。

 

 

思えば、

私は小さなころから自分の意見が言えない

 

 

というか

自分がどうしたいのかわからなかった

ので

 

 

家具は何が良いのかわからない。

家電は使えれば良い。

 

 

つまり、

「これが使いたい」

「これが家にあったらいいな」

と言う感情が湧かないし

そのような感情がわからない。

 

 

心が無の状態の私なので

さっさと母が家電、家具を選んでいく。

 

 

無感情な私は選ばれた家具や家電に対し

否定はない。全て肯定。

 

 

何も思わない、感じない。

 

 

それどころか

「何としても今日一日で買物は全て終わらせなきゃ。

お母さんお仕事忙しいしからまた休んでもらうのは悪い」

 

 

 

とりあえず家電や家具は全て揃って

私は一安心。

 

 

「これ以上お母さんに

迷惑を掛けてはいけない。」

 

 

そして主人に

家具や家電は全て揃った。と報告した。

 

 

主人は喜んでくれると思ったら

 

「えっ!俺、選んでないよ。もう買っちゃったの?」

「何で?りえと俺との生活なのに何で俺が選べないの?

りえはそれで良いって本当に思ったの?」

 

 

主人に言われるまで全く気付けなかった。

 

 

そう、私はいつも言われるがまま。

自分の意見や感情が全く無い。

 

 

「お母さんが良いっていうから。」

 

 

母に気を使い、母の顔色を伺い、母の言う事は絶対正しい

で生きてきた。

 

 

決して母を恨んでいるわけではない。

 

それどころか母のおかげでたくさんの

気付きを得ることができたのだ。

 

 

つまり、母は私に

気を使う事をやめて、顔色を伺うことをやめて

自分優先に生きていきなさいと教えてくれていた

のだと思う。

 

 

やっとそれに気付けた私は自分の本当の

気持ちをいう事が出来た。

 

 

「私はこの家具が欲しい。」

「私はこの家電が使いたい。」

 

 

嫌な出来事なんて何もない。

私の人生をより良くするために他人はあの手この手と

私に気付かせてくれるのだ。

 

 

あの親のせいで私はこんな人生になってしまった。

と思っている人もたくさんいるだろう。

 

しかし、

どんな親であれあなたの人生をよりよくするために

現れてくれている。

 

 

それに気付くか気付かないかで人生は変わってくるのだ。

 

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